スピーダー エボリューション 7を西川みさとが試打「究極の先走り系」
藤倉コンポジット「スピーダー エボリューション7」の評価は!?
国内女子ツアーで高い使用率を誇る藤倉コンポジットの「スピーダー エボリューション」シリーズ最新作「スピーダー エボリューション 7」(以下エボ7)。最新のドライバーヘッドに合わせた剛性設計となっており、新感覚のつかまりを体感できるという。そんな新たな走り系シャフトを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「タイミングを取るのに手こずった」
―率直な印象は?
「典型的な先が走るタイプの特性と言えます。ひと言で表現するなら、“究極の先走り系”。手元側がカチカチで硬く、先端側がビュンビュン走るモデル。手元側のしなり感が少し足りない分、タイミングを取るのに手こずってしまいました」
―タイミングを取るのに手こずった?
「はい。自らつかまえにいったり、タイミングを取りにいこうとすると、ダウンスイング中のどこかで必要以上に力が入り、インパクト前後で先端側が暴れてしまうのだと思います。つかまりすぎることを嫌がった結果、やや右にボールを打ち出して逃がして打っていた感じがありました。自らつかまえにいかず、ヘッドを勝手に走らせるスイングができれば、しっかりつかまえてくれるシャフトだと思いました」
―以前は同シリーズを使っていましたよね?
「長年『エボ3』を使っていましたし、このコーナーでも『エボ5』に関して高い評価を出していました。その頃は先調子ばかりを使用していたので、タイミングを合わせるのに適したスイングになっていたように感じます。最近は手元調子のモデルを試して使っているため、先調子をうまく合わせる感覚を忘れてしまったのかもしれません」
―前作「エボ6」と比べてどう?
「『エボ6』は『エボ7』に比べ、少し手元側が緩く、それほど先走り系と言う感じではなかったと記憶しています。基本的に藤倉コンポジット製は、全体がしなるというより、先か手元どちらかがしなり、どちらかが硬いという、ハッキリした特性が多かった印象。その流れで言うと、前作は手元側が軟らかめで、今作は先端側が走るタイプと言えます」
―同時期発売の他社ブランドと比べてどう?
「USTマミヤ、グラファイトデザイン、三菱ケミカルの4大シャフトメーカーの新作と比べて、私が一番良かったと思うのは、グラファイトデザイン『ツアーAD HD』でした。正直に言うと、これまであまり選ばなかった特性なのですが、普段使用しているモデルに近いということで、高い評価になったのだと思います。やはり慣れというのが、評価に大きく影響してくるように感じます。その点で言うと、『エボ7』は現在使用しているものより、手元側が少し硬く感じてしまいました」
―どのような人向き?
「クラブを緩やかに動かすスインガータイプ向き。女性やシニア層の方でも、最後まで全身で振りきれる人なら、必ずマッチしてくれると言えます。インパクトの瞬間にグッと力を入れるヒッタータイプの人には、タイミングを取るのが難しいでしょう。力があるなしに関わらず、スイングタイプで選ぶと良いと思います」
「走り感4.5・粘り感3.5」の特徴的分布【総合評価4.0点】
【走り感】4.5
【粘り感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【デザイン】4.0
・使用モデル:スピーダー474 エボ7(硬さ:S)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM MAX ドライバー(ロフト角:10.5度)
・使用ボール:シーサイドゴルフ木更津専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、シーサイドゴルフ木更津
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。