レジオ フォーミュラ MB+を筒康博が試打「ヘッドを選ばない」
日本シャフト「NSプロ レジオ フォーミュラ MB+」の評価は!?
軽量スチールシャフトの雄・日本シャフト「NSプロ」から展開されているウッド用カーボンモデル「レジオ フォーミュラ」シリーズ。2014年の「M」を皮切りに、15年に「B」、16年に「MB」を発売。さらに飛距離性能を特化させた「M+」「B+」に進化し、ことし「MB+」が登場した。そんな「+」シリーズのトリを飾る最新モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博の評価は?
「特徴がないのではなく、どれとでも合う」
―率直な印象は?
「実は私の周りには、前作『MB』を使用している人が多く、評判がとてもいいモデルでした。手元側でしっかりしなり、タイミングが取りやすい。新作『MB+』になっても、その部分はしっかり踏襲されていて、非常に振りやすかったです」
―タイミングが取りやすい?
「はい。私は手元側の剛性が高めのほうが好きなのですが、この『MB+』はトップで切り返そうとしなくても、シャフトのしなり量で勝手にしなって、勝手に戻ってきてくれる。無理に振ろうとしなくても、シャフト自体がスイングリズムを取ってくれる印象を持ちました」
―では前作「MB」との違いは特にない?
「『MB』は特徴が明確なので、ファンが多い半面、好き嫌いがはっきり出る要素もありました。それに比べ、『MB+』はシートの巻き方なのか、設計意図なのかは分からないですが、インパクトでボールを押し出す力が勝手に働く。『MB』ほどしなり量は大きくないのですが、エネルギー伝達が良くなっている点を感じました」
―同シリーズ「M+」「B+」と比べてどう?
「いまどきのヘッド体積460cc、高慣性モーメントのヘッドを意識している印象を受けます。手元側がしなるということは、切り返しでしっかり間を置くことで、ヘッドの存在感をスイング中に感じやすいということ。インパクト時に先が勝手に走ることもなく、プレーヤーの好き嫌いがはっきり出ない。『M+』『B+』より特性がノーマルという表現よりも、最新ヘッドにマッチしやすいと言ったほうが的確だと思います」
―具体的にはどのようなヘッドと合う?
「今回試打した『SIM2 MAX ドライバー』でも、ピン『G425 MAX ドライバー』でも、松山英樹選手の活躍で話題の『スリクソン ZX5 ドライバー』でも、体積460ccであればどのモデルでも合うと思います。現在の各メーカーの主力商品であれば、特にヘッドは選びません。色味が黒を基調としたシンプルなデザインに変わったことも、どのヘッドに合わせても違和感なく構えられる点で、大きく影響していると思います」
―どのような人向き?
「まだまだ日本シャフト製は、アイアンのスチールシャフトのみで、ドライバーのカーボンシャフトは使ったことがない人は多いと思います。そのような人に『レジオ フォーミュラ+』シリーズをすすめる際、まずはこの『MB+』から打ってほしいです。もう少し手元側が硬いものや、しなり方が違うものにしたければ、『M+』『B+』を試す流れで検討すると良いと思います」
「走り」のほうが「粘り」より0.5高め【総合評価4.2点】
【走り感】4.5
【粘り感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【デザイン】4.0
・使用モデル:TYPE 45(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。