ダンロップ 「ゼクシオ 12 アイアン」の評価は！？

ゼクシオ 12 アイアンをご意見番クラブフィッターが試打したら…

いよいよ発売が今週11日（土）に迫った12代目「ゼクシオ」シリーズから、「ゼクシオ 12 アイアン」をピックアップ。三者三様メンバーが兄弟モデル「ゼクシオ エックス アイアン」にそろって高評価をつけた一方で、正統進化が期待される「12」アイアンにはどのような評価をするのか！？ ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の見解は？

• 1WのHS30m/s台・西川みさとの場合
• 1WのHS50m/s台・万振りマンの場合

「グース&芯の広さがやや極端」

見た目とフィーリングの違和感からか右に押し出すケースが多かった

―率直な印象は？
「元々『ゼクシオ』のイメージは、ヘッドサイズが大きく、安心感がもてるブランドなのですが、ここ数年の他モデルとの流れを考えると、少し違和感を覚えてしまいました。これほどのオフセット(グースネックの度合い)が必要なのか？ 広いスイートスポット(芯)が必要なのか？ という疑問を抱いたのが正直な感想です」

低重心化と慣性モーメント増大でボールの上げやすさが更にアップ

―そんなにグースが効いている？
「測定した数値は以前とさほど変わらないと思いますが、いま人気のモデル群と比べ、ヒール側＝懐(ふところ)が引っ込みすぎて、グースがややきつい印象は否めません。また、ソール形状もイメージに大きく影響しています。ソールがフラット過ぎてどうしても接地面積が広くなり、シャープに振り抜きにくいように感じました」

丸みのあるトップブレードとグースネックが特徴

―安心感にはつながらない？
「同社としては、兄弟モデル『ゼクシオ エックス アイアン』との差別化を図っているのだと思います。今作は、前作以上に2モデルの違いを感じました。良くも悪くも『ゼクシオ クロス アイアン』に近い印象で、正直ここまでオートマチック感を出す必要があったのかな…という感覚です。カーボンシャフトとの相性は良いかもしれませんが、スチールで使いたい人にはおすすめできないのが正直なところです」

高強度の新素材「Super TIX 51AF」を採用したチタンフェース

―芯が広すぎるというのは？
「今回試打したのは練習用ボールのため、はっきりとは言えません。ただ、チタンフェースの打感がものすごくやわらか過ぎて、ヒットした感触がやや得にくい部分を感じます。フェース面のどこに当たったのかが、少しわかりにくい。実際にほとんど先端に当たっていたと思うのですが、それほど大きなミスは出ていません。結果的には◎ですが、個人の感想としてはもう少しフィードバックが欲しいところです」

ステンレス素材の「エックス」に比べてやや銅色の「12」(画像左)

―「エックス」と比べてどう？
「『エックス』はこれまでの『ゼクシオ フォージド アイアン』の操作性と打感、また『ゼクシオ イレブン アイアン』までの寛容性と打ちやすさを両立しています。私がお店の店員であれば、基本的にはこちらをおすすめすると思います。フェースがどうしても開いてインパクトを迎えてしまう人、振り遅れをスイングではなくクラブで直したい人にだけ、『12』を試してもらいたいです。ドライバー以上に、アイアンはその差が明確に感じられます。ドライバーが『12』だからアイアンも『12』という選び方は危険。逆に、アイアンだけ『エックス』が合うという人は多いと思います」

「通常より左を向いて払い気味に打てばしっかり飛ぶ」と筒

―どのような人向き？
「シニア世代のゴルファーで、ボールを上からヘッドをぶつけて打つタイプの人。これまでの長いゴルフ歴で、フェースが開いて当たってしまう傾向が固まっている人。また、どうしてもボールをセンターよりも右寄りに置かないと、きれいに当てることができない人におすすめ。やや限定的にはなりますが、そこをあえて狙ったモデルとして、『エックス』との違いを見出した存在意義を感じます」

3.0点△が並ぶ厳しい採点【総合評価3.5点】

【飛距離】4.0
【打 感】3.0
【寛容性】4.5
【操作性】3.0
【構えやすさ】3.0

・ロフト角：28度(7I)
・シャフト：ゼクシオ MP1200(硬さS)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

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