クラブ試打 三者三様

ステルス ドライバーを西川みさとが試打「不思議な感じ」

2022/01/18 05:00

テーラーメイド「ステルス ドライバー」の評価は!?

これまでのカーボンの概念をぶち壊す、新テクノロジー導入の「カーボンフェース」を搭載したテーラーメイド「ステルス」シリーズ。未知のクラブとして、打感や打音を全くイメージできない人は多いだろう。そんな注目シリーズのスタンダードモデル「ステルス ドライバー」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「カーボンのような打感とチタンのような打音」

最初は思い通りにいかなかったものの曲がり幅は許容範囲に収まっていた

―率直な印象は?
やわらかい打感が印象的です。これがカーボンフェースの特徴と言えるのかもしれませんが、とても不思議な感覚。正直、2~3球の試打では分からない部分は多いですが…。見た目は黒&赤で引き締まって見えて、とても好みのヘッド形状です」

キャッチコピーは『ようこそ、カーボンウッドの時代へ』

―引き締まって見える?
「はい。ロフト角が10.5度だったからなのか、アドレスして上から見る印象では、赤色のフェース面が視認しやすかったです。構えた瞬間からボールが上がりそうなイメージが湧くので、やさしさを感じられると思います。逆にサイズ感は、黒ヘッドが全体的に小ぶりに見えて、とても構えやすいです」

黒ボディのクラウンに赤いフェース面が目立つ

―打感はやわらかい?
「そうですね。ボールが一瞬フェースに吸収されているような、グシャっとした打感です。パーンと強く弾くというよりも、一度グシャっとボールがつぶれてから、跳ね返っていくような感覚。フィーリングではカーボンっぽいやわらかさが残るのに、打音はチタンのようにしっかり出るので、それも含めて不思議な感じがします」

60層のカーボンフェースはチタンに比べて44%軽量化に

―打音はしっかり出ている…?
「このくらい打感がグシャっとしているなら、音はこもってしまいそうですが、それほど小さい音ではありません。私がいま使っているピン『G410 PLUS ドライバー』のやや硬めな音と比べると、やわらかい印象ですが、それでも響いている音はちゃんと出ています。もっと硬めな高音が好みという人は多いかもしれませんが、抑えめな音が好きな人には合うと思います」

ハイドローの「HD」とソールにスライドウエイトが付いた「プラス」

―兄弟モデルとの違いは?
「『ステルス HD ドライバー』や『ステルス プラス ドライバー』と比べて、実はそれほど大きな違いは感じませんでした。体積は同じ460ccですし、形状の違いも微小。ほとんど同じようですが、何となく『HD』のほうがフェース面のヒール側が広く見えて、スタンダードよりもボールが上がりそうなイメージ。『プラス』はワッグルした印象から一番重く、全体的にややハードに感じられます」

「感触はやわらかいのに音はしっかりめで面白い」と西川

―どのような人向き?
「見た目のカッコ良さから、ルックス重視のトレンドに敏感なゴルファー向きと言えるかもしれません。性能としては、HSで細かく限定しなくてもいいほど、幅広い層に向けられている印象を受けます。ツアーモデルのため、一般的な女性ゴルファーには難しいとは思いますが、打感はやわらかいですし、ボールの上げやすさも感じられるので、多くのゴルファーがトライしても良いと言えそうです」

不思議な感覚でオール4.0【総合評価4.0点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・シャフト:TENSEI RED TM50(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

テーラーメイド
発売日:2022/02/04 参考価格: 86,900円