クラブ試打 三者三様

G430 HL MAX ドライバーを万振りマンが試打「ヘッド加重して使いたい」

2023/03/25 07:00

ピンの軽量モデル HS50m/s台のYouTuber評価は!?

High Launch(ハイ ローンチ)=高弾道モデルとして、ピン「G430」から派生した「G430 HL」シリーズ。ヘッドを軽くするほど、慣性モーメントは落ちてしまうものだが、抜群の安定感を誇る「G430」設計により、その上下左右慣性モーメント値は、軽量クラブでの最高レベルという。そんなブレずに激飛を実現する「G430 HL MAX ドライバー」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「ブンブン振り回すモデルではない!? 二刀流には良いのかも」

曲がり幅は少ないものの 高く上がりすぎる傾向が見られた(打ち出し角:平均16.1度)

―率直な印象は?
「今回、実は同シリーズの『G430 HL SFT ドライバー』だけではなく、(撮影外で)スタンダードモデル『G430 MAX ドライバー』と『G430 SFT ドライバー』も比べながら試打したのですが、改めて軽量モデルとの重量感の差に驚かされました。打感も振り心地も、全てにおいて軽さが際立っていて、飛距離に反映される手ごたえが小さく、やや物足りなさを感じる結果となりました」

軽量であるのにカチャカチャ機能が付いている点が同社の特徴

―軽めに振ったらどうですか?
「確かにスピンを適量にする意味でも、ハーフスイングでHSを落として打つべきでしょう。これだけ純正シャフトSPEEDER NX 40が軽いのであれば、長さ46インチと長めの尺を生かし、ヘッドに重量を加え、しなり量の大きさを生かした飛ばしに特化したスペックで試してみたくなります。そもそもブンブン力任せに振り回すゴルファー向けではなく、非力でもHSをアップさせたい人向きであることが、明確に伝わるクラブでした」

重量のあるタングステンではなく軽量の専用ウエートを装着

―HSもいつもより落ちる?
「そうですね。数字には反映されなかったのですが(平均52.4m/s)、かなり落ちている印象を受けますし、スピン量も比較的に多いと思います(平均2961rpm)。一番の原因は、シャフトがスイングに付いてきていないことが挙げられ、またヘッドが軽い分、ボールに伝わる力量も足りないからだと思われます。あえて道具に頼るのであれば、スイングの技術でどうこうするよりも、今の自分のスイングに合わせ、カスタムして作りあげたほうが近道のような気がしました」

上下の打点ズレ時の飛距離ロスを抑える新バルジ&ロール設計

―現行の軽量モデルから1本選ぶとしても候補には入らない?
「そうですねー…。カスタムすることを前提に考えても、もう少しフェース面の弾き感があったほうが、私のスイングにはマッチしてくれるかなと思います。『G430』シリーズとフェース素材は全く同じとは思うのですが、打音の音量が小さい分、インパクト時の衝撃が若干弱く感じられます。軽量モデルのカテゴリーの中でも、もう少し金属音のする高い打音のモデルのほうが、飛びに関しては納得できるように感じます」

左「―MAX」に比べ右「―SFT」はDRAWとDRAW+の2ポジション

―同シリーズ「―SFT」と比べると?
「『―MAX』のほうがヘッドサイズも大きく、曲がり幅も小さかったので、安心感を持てるタイプのようです。比べて、『―SFT』はつかまり感は十分持てるのですが、逆に左へのミスが頻出してしまう懸念点も存在します。基本的にはどちらもつかまるモデルですので、同じつかまり具合の強いタイプの中での微差。それほど2モデルの違いは微妙のため、何球も打ち直しができるレンジでの試打結果よりも、実戦で体感するミスの傾向に合わせて選んで欲しい。普段のラウンドを振り返り、スライスの頻度の度合いを考慮するべきだと思います」

「軽量モデルの特性を理解して購入するべき」と万振りマン

―どのような人向き?
「軽快に振れて、軽い打感とフィーリングを得られる性能ということで、腕力のない女性やシニア向けになるでしょう。常にベストスコアを求めるアスリート派よりは、仲間とゴルフを楽しむエンジョイ派向け。年間10回以下のラウンドで、たまに行くゴルフでもビッグドライブを望む人。冬の寒い時期に、HSが落ちても飛距離を落としたくない人。平均的な重量のモデルともう一本、“二刀流”として軽量モデルを持っておきたい人に試してもらいたいドライバーです」

物足りないフィーリングで点数低めに…【総合評価3.6点】

【飛距離】3.0
【打 感】3.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:FUJIKURA SPEEDER NX 40
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

ピン
速さと高さで激飛。
発売日:2023/03/02 参考価格: 93,500円
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発売日:2023/03/02 参考価格: 93,500円