クラブ試打 三者三様

The ATTAS V2を万振りマンが試打「安定的にキャリーをプラス」

2023/05/06 07:00

新たなど真ん中調子モデル HS50m/s台のYouTuber評価は!?

USTマミヤの大人気シリーズ「ATTAS」より、14代目として登場した「The ATTAS V2」。金谷拓実稲見萌寧らが長年使用していた2018年発売の10代目「The ATTAS」を継承し、クセのないしなり感を踏襲しつつ、よりニュートラルな剛性分布に再設計した究極の中調子という。そんな同社が誇る“ど真ん中”モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「途中からぐんぐん上昇! イマドキヘッドの特性を引き出す」

試打中「球が高い」と言っていたが結果的には適度な中弾道に

―率直な印象は?
「振り心地が軽快で、前に前に伸びていく力強いボールを生むシャフトです。特に印象に残ったのは、弾道の高さ。インパクトゾーンで先端が速く走るわけではないのですが、打ち出し角を上げてくれるような、しなり戻りがある印象です。打ち出し角はそれほど高いわけではなく(平均11.1度)、途中からボールがぐんぐん上昇していく。キャリーで飛距離を伸ばしたい人には、すごく恩恵を受けられるモデルだと感じます」

高い先端剛性によりヘッドに応じた当たり負けの強さと操作性を損なわないしなやかさを装備

―弾道が高くなる特性?
「ヘッドとの兼ね合いもあるので、一概に弾道が高くなる特性とは言い切れません。トラックマンの数値を見ても、バックスピン量はほとんど2000rpm台だったので(平均2294rpm)、常に弾道が高めに出るモデルとまでは言えないでしょう。ただ、テーラーメイド『ステルス2 プラス ドライバー』との組み合わせでは、風がフォローのときには確実に、もうひと伸びを助ける特性であることは実感できました」

プロアマ問わずクセがなくタイミングが取りやすい名器「The ATTAS」を進化

―10代目「The ATTAS」と比べると?
「どちらもクセがないことが特徴となっていますが、最新の高慣性モーメントのヘッドと合わせるなら、『―V2』のほうがその特性を十分に引き出してくれる印象を受けます。どんなにタイミングを外しても、入射角がそろわなくても、思うようにフェースコントロールができなくても、常に同じ高弾道のビッグドライブを生み出せる。程よいつかまり具合で、スペック『6S』の割に振り抜ける軽快さも、イマドキヘッドとの相性をしっかり計算した特性だと感じます」

モデルは4Rから7Xまで 幅広い要望に対応できるラインアップに

―他社の同時期モデルと比べると?
「グラファイトデザイン『ツアーAD CQ』、三菱ケミカル『ディアマナ GT』、藤倉コンポジット『SPEEDER NX GREEN』と比べ、叩きにいったときには暴れる結果となりました。ですが、いつもの軌道でボールを打てば、ミスに対する寛容性の高さも感じられる安定感のあるモデルです。自分で動きを加えるヒッタータイプより、体全身で振るスインガータイプのほうが合う気がします。力任せに強振したい私のようなゴルファーよりは、方向性と高さを意識しながら安定した球筋で打ちたい人向き。そういう点で、比較したモデルの中では、安定感を重視した『SPEEDER NX GREEN』に近い特性を感じます」

重さ66g、トルク:3.1、中調子(※6S、長さ46インチの場合)

―相性の良いヘッドは?
「クセが少なく、程よくつかまる点で、どのメーカーのヘッドでも、その特性を十分に引き出してくれるでしょう。その中で厳選するなら、スピンが比較的多く出やすい『ステルス2』シリーズよりは、操作性の良さも兼ね備えたタイトリスト『TSR』のほうが、相性の良さを感じます。スピンが少なく初速スピードが秀逸で、しかもつかまりの良い『TSR2 ドライバー』とのマッチングは、安定感にプラス強弾道を期待できるセッティングとしてお勧めです」

「重量感のある『ステルス2 プラス』でも問題なく扱える軽快さがある」と万振りマン

―どのような人向き?
「高弾道でキャリーを伸ばしたい人向き。シャフトのクセが少ないだけではなく、簡単にボールがつかまり、適度に高さを出してくれる点で、スイングやボール位置を変えず、今PGAツアーで流行している“棒球”(打ち出しからバーン!と高く上がって前に伸びる球)で飛距離を稼ぎたい人に向いています。とにかく高い弾道を安定的に打ちたいゴルファーの要望に応えてくれるシャフトではないでしょうか」

西川・筒と違い 走り:粘りは同じ4.5【総合評価4.3点】

【走り感】4.5
【粘り感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【デザイン】4.5

・使用モデル:6(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド ステルス2 プラス ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

UST マミヤ
どまっすぐ。ど真ん中調子。
発売日:2022/12/16 参考価格: 44,000円