クラブ試打 三者三様

ピン i230 アイアンを万振りマンが試打「即購入したくなるやさしさ」

2023/05/13 07:00

数々の勝利に貢献した名器の後継 HS50m/s台のYouTuber評価は!?

渋野日向子のメジャー制覇をはじめ、世界各国で70勝以上を積み重ねた名器ピン「i210 アイアン」の後継モデル「i230 アイアン」。発売から3カ月が経過し、スイッチがスムーズに行われたツアープロの様子と、各メディアで称賛する声の多さで、性能の高さを確信しているゴルファーは多いだろう。そんな正統進化を遂げたモデルは、アマチュアゴルファーにとっても本当に“買い”か!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「コレ買いでしょ 打感を生かしたスペックが◎」

どちらの方向にも偏るわけではなく一定の範囲内に同じ高さで飛んでいた

―率直な印象は?
「打感は少しやわらかい印象ですが、全くねじれのないストレート弾道で、ほれぼれする球が打てました。操作性と安定感のちょうど“いいとこ取り”をした性能で、完成度の高さがうかがえます。前作『i210』から評判の高さはありましたが、今作はすぐにでも購入を決めたくなるほど、理想に近いモデルという感想を持ちました」

飽きの来ないシンプルなデザインのバックフェース

―打感は少しやわらかすぎる…?
「やわらかすぎるということはないです。ダウンブロー軌道で上から打ち込むように打ったところ、フェース面にボールが食いついて離れない感じが残り、フォローまでボールがフェース面に乗っているフィーリングを味わうことができました。狙ったターゲットまでイメージ通りボールを運べ、コースですぐに結果が出せる実戦向きな面を感じることができました」

前作と変わらずソール幅はやや厚めでやさしい印象が持てる

―距離感は合う?
「そうですね、飛びすぎる感じは全くありません。7番で平均182.7ydは、私にとって適正な距離と思います。叩けば叩くほど距離が伸びるわけではなく、しっかりスピンが入ってくれる。打ち込んでスピンをかければかけるほど高さが出るので、硬いグリーンでも止まる印象を受けました。最初の1、2球で少し左右に散ってしまいましたが、ミスヒットにも強さを発揮する寛容性の高さを感じられます。適切なボール位置にアドレスが決まれば、あとは多少スイングでブレが生じても曲がらず許容範囲内にボールを収めてくれるアイアンだと思います」

純正シャフトは「―ツアー105」を含むスチール5本、カーボン2本から選べる

―万振りマンのHS(1Wで50m/s以上)では、純正シャフト「NSプロ モーダス3 ツアー105」は合わない気がしたのですが?
「私は今、ミズノの比較的やさしいヘッド『JPX 919 ツアー アイアン』に、硬めの『プロジェクト X』を挿れています。単に前に飛ばすだけでなく、少しスピンを入れて高弾道に飛ばせる仕様。シチュエーションに応じて高さを打ち分けることができるセッティングにしているのですが、『i230』にはマイルドな『NSプロ モーダス3』(フレックスはSのみ)のままでいい気がしました。クセのない特性で、しっかりしなる動きを感じながら、ボールを上から叩いたほうが、距離を合わせやすいヘッド特性かもしれません。それ以上ハードなモデルだと打感自体もシビアになってしまい、ヘッドの良さを消してしまう気がしました」

ロング~ショートアイアンまでCTPエラストマーを各番手ごとに配置&サイズを変えている

―絶賛していますが、あえて気になる点は?
「そうですね、マッスルバックやツアーモデルと比べると、若干ヘッドサイズが大きい印象を受けます。これを安心感ととらえる半面、操作する上でマイナスととらえる人もいるのは事実です。見た目のシャープさを求めるのであれば、デメリットに感じるプレーヤーは存在するでしょう。ただ、私のように左右に曲げてしまう心配がある人には、安定した弾道で攻めていける見た目の安心感はプラスに働くと思います」

「少し大きめのサイズ感は(ロングアイアンを)UT感覚で使えるかも」と万振りマン

―どのような人向き?
「フレックスSとはいえ、やさしいヘッドで寛容性が高く、とても打ちやすいアイアンなので、HS40m/sあれば、どのようなタイプのゴルファーでも扱えるモデルです。競技に出ている中上級者限定ではなく、週1ペースで練習しているアベレージゴルファーも、購入検討をおすすめしていいモデルだと思います。それほど幅広い層にマッチする汎用性の高いアイアン。安定して常にストレート弾道を打ちたい人には、今回試打したスペック(『―ツアー105・S』)が合うでしょう」

筒に続き全項目4.5以上の高得点【総合評価4.6点】

【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:33度(7I)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー105(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

ピン
勝利に磨かれたアイアン。
発売日:2023/01/19 参考価格: 198,000円