クラブ試打 三者三様

タイトリスト TSR1 ドライバーを万振りマンが試打「強さはないが弱さもない」

2023/06/24 20:00

スピード増し増し最軽量モデル HS50m/s台のYouTuber評価は!?

2022年9月に発売された3機種のタイトリスト「TSR」シリーズ(「TSR2」「TSR3」「TSR4」)の後発モデルとして、ラインアップに追加された最軽量モデル「TSR1 ドライバー」。振りやすさを追求したライトウエート設計でボール初速を加速させ、高い打ち出しと大きな飛距離を生み出すモデルは、どんなタイプのゴルファーに向いているのか? 前作「TSi1 ドライバー」と比較しながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「当たり負け感はあるが、安定感は『TSi1』より上」

引っかける球も見られたが全体的には同じようなドロー弾道に

―率直な印象は?
「求めているターゲット層と異なることは承知の上で、力の限り振り回してみたところ、軽量モデル特有の“当たり負け感”があり、インパクトの瞬間にヘッドが一瞬グッと押し戻される感覚が残りました。ボールを押し込んでいくときに、わずかに手の中でグリップが遊んでしまうような感触。もう少しヘッドを重くするか、シャフトを硬くするか、調整が必要に感じました」

同社独自の「Sure Fit ホーゼル」「Sure Fit CG」でによりプレーヤーの最適化が可能

―打感のフィーリングが物足りない?
「フィーリングが物足りないというよりも、フェースが割れたりひび割れの心配をしてしまう怖さを感じます。非常にヘッドの軽さが目立っていて、ボールがすごく硬く感じてしまうほど。反発力の弱い練習場のレンジボールを打っているのに、ドラコン大会専用のコンプレッションの高いボールを打っているような錯覚を起こしました」

フェースセンターヒット時に最高初速と高打ち出しを生み出す深低重心ヘッド

―軽さがネックに?
「そうですね。イメージとしては、ピンの軽量モデル『G430 HL MAX ドライバー』と同じく、打感、フィーリング、操作性、飛び感、全てにおいて軽さが目立ってしまっている印象です。他社の軽量モデルと比べても軽さが際立っていて、少し頼りなさを感じました。ただ、最初の1、2球は軽さに慣れずに引っかけてしまいましたが、その後は全て同じ球筋で、理想的な軽くつかまった程よいドローが出て、飛距離もそこそこ出ていたので(平均287.9yd)、力強さがないわけではありません。正直物足りなさは感じましたが、飛距離性能としての及第点はちゃんと取ってきている感じがあります」

左上がTSR1の純正シャフト「TSP120 50」右下がTSi1の「TSP013 45」

―前作「TSi1」と比べると?
「打感のフィーリングも、振り抜き感もほとんど同じように感じますが、少しだけヘッド挙動が少なく、安定感が増したように感じます。“当たり負け感”があると、従来モデルはつかまらずに右に大きくスライスしたり、逆につかまりすぎてチーピン(左方向に大きく打ち出して曲がるミス)が出てしまうのですが、この『TSR1』は弾道では明らかなミスが出にくく、フェアウェイ上に収まってくれます。軽量シャフトにもかかわらず(硬さSで49g)ここまで安定した球筋が出るのは、ヘッド構造の進化にあるといえます

オフセンターヒットでも許容性とボール初速を生み出すフェースデザイン

―進化した具体的なポイントは?
「高慣性モーメントの要素が大きくなった点でしょうか。高弾道でつかまりのいい球筋が出せていたのは、単純にヘッドの左右のブレが抑えられているから。また前作『TSi1』が低いというわけではありませんが、『TSR1』は左右だけではなく上下の数値が上がった気がします。ややフェース下めに当たったとしても、しっかり高さを出していける。スピン量がやや多めになっているところも(平均2716rpm)、高さが出しやすくなっている要素なのかもしれません」

「前作よりヘッド構造の進化を感じる」と万振りマン

―どのような人向き?
「もちろん軽量でクラブが速く振れるということは、HSが以前より落ちてきてしまった年配ゴルファーや、今より高い球でキャリーを伸ばして飛ばしたい非力なゴルファー向けだと思います。アスリート向けというよりは、エンジョイ派向け。その中でも、より軽快にクラブが振れて、ミスヒットに強いモデルを探している人向き。左右上下に打点がズレても、しっかり高弾道のドローボールが打ちたいプレーヤーに向いていると思います」

飛距離と打感3.5△も寛容性と構えやすさ4.5◎でカバー【総合評価4.0点】

【飛距離】3.5
【打 感】3.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:{TSP120 50(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

タイトリスト
発売日:2023/02/23 参考価格: 88,000円