ゼクシオ エックス アイアンを住吉大輔が試打「本気になってきた人に合う」
高弾道&大きな飛びを生む3代目 パワー系レッスンコーチの評価は!?
ダンロップ「ゼクシオ」シリーズの派生モデル「―エックス」のアイアンとして、3代目となる「ゼクシオ エックス アイアン」。薄肉鍛造フェースと大きなたわみを生む構造に、大型高比重タングステンニッケルウエートを配置することで、高弾道で大きな飛びを生む性能に仕上がったという。3代目にしてかなり完成度が上がったと評判のNEWアイアンを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ゴルフテックで1、2を争う強振スインガー・住吉大輔コーチの評価は!?
「見た目も振り抜きも◎ 楽に狙える実戦向きアイアン」
―率直な印象は?
「すぐに買い替えたくなるほどの高評価でした。従来の同シリーズの流れからは逸脱して、パッと構えただけでは『ゼクシオ』とは気づかないシャープさ、ブレードアイアンに慣れている私でも構えやすく感じます。振り抜きも、弾き感も初速の出方も申し分なし。兄弟モデル『ゼクシオ 13 アイアン』ほどの一発の飛びは期待できないかもしれませんが、楽に狙った位置に置ける十分な性能で(7I平均205.2yd)、しかも左右に曲がらない安心感があるので、とても実戦向きだと思います」
―7番でコンスタントに200ydを超えていましたが?
「えー、本当ですか(驚)。思っていたより飛んでくれるのはありがたいです。ただ、逆に飛びすぎてしまうくらい飛んでいたのが、気になってしまうかも…。もう少しヘッドスピードが下のボリュームゾーン(HS45m/s以下)の方からすると、楽に飛ばせるメリットを十分得られるでしょうか。ボールを飛ばせていながら構えやすくも安定感もある点が、今作の魅力だと思います」
―具体的に見た目のどこが高評価?
「見た目は『―13』同様、前作よりグースの度合いが減り、オフセットの付け方はだいぶ軽減された印象です。ストレートフェースを好む方でも、それほど違和感は抱かない形状といえます。また、反射しづらいサテン仕上げになっていることで、スッキリ見える仕様にもなっています。(トウ側から)平面、スコアライン、平面の分け方も前作はわりとどちらも強調して見えるのですが、今作はスコアラインにだけスポットが当てられて見える感じ。全体のサイズ感も少しだけ小ぶりに感じました」
―操作性はどうですか?
「そうですね、寛容性はしっかり持ち合わせているので、操作性をフルに生かせる感じではありません。そもそものコンセプトで、そこは『スリクソン』と振り分けられていますから、かなりオートマチックに飛んでくれます。操作性が悪いわけではないですが、オートマチックで平均的な評価となりました(操作性の評価5点満点中3.0)」
―純正シャフトの印象は?
「どの程度のハードヒッターかにもよりますが、ドライバーで50m/s前後の人には、やわらかすぎると思います(ダイナミックゴールド 95)。ただ40~45m/sの人であれば、全く振りやすさには問題ないでしょう。私が思い切り振りにいっても、ボールは吹け上がらず、押していけるフィーリングも味わえます。叩きにいっても同じ球が出てくれる安心感も抱けます。そのあたりが『―13』よりも高評価に感じた部分です(※今作の総合評価4.0点に対し『―13』は3.6点)」
―どのような人向き?
「パワーヒッターから、ゴルフを本格的にやりたいと思い出した人まで、ターゲット層は幅広いと思います。エンジョイゴルファーの域は脱し、ようやく本気でやろうと決めた人に使っていただきたい。判断要素はHSの速い遅いよりも、自分でフェースコントロールをしたいかどうか。クラブの性能に頼りっきりになるより、ある程度は自分でコントロールしたい意向を持ち、しかも飛距離が簡単に出る利点を生かせる。加えて見た目も打感も…と、欲張りなゴルファーに対応したアイアンに仕上がっています」
飛距離5点◎操作性3点△ 高低差の大きい結果に【総合評価4.0点】
【飛距離】5.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:28.5度(7I)
・使用シャフト:ダイナミックゴールド 95(硬さS200)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 住吉 大輔(すみよしだいすけ) プロフィール
1988年10月30日生まれ、神奈川県出身、ゴルフテック横浜所属。高校時代に競技ゴルフを始め日本体育大学に進学。大学在学中にレッスンプロの道を目指し、レッスンに必要な運動力学や機能解剖学を専攻。感覚的なレッスンではなく科学的に分析をし事実に基づいたレッスンを行い、初心者から上級者まで分かりやすく丁寧なレッスンを心がけている。