クラブ試打 三者三様

G430 MAX 10K ドライバーを西川みさとが試打「さすがのブレにくさ継続中」

2024/02/13 20:00

ピン史上最もブレない10Kドライバー HS40m/s未満の女子プロ評価は!?

ピンの大人気シリーズ「G430」から登場した「G430 MAX 10K ドライバー」。独自のカーボンクラウン技術と固定式高比重ウエートにより、上下左右の合計慣性モーメント値1万超えを果たした最新モデルは、同社で最もブレない新構造に仕上がった。そんな“10K飛(マントビ)”モデルをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「見た目は好印象&打感は好感触 良くも悪くも前作との差はゼロ」

やや右寄りに飛んでいたが総距離209.4ydを記録

―率直な印象は?
「マイクラブとして『G430 MAX ドライバー』を使用しているので、慣れている部分もだいぶ評価点に影響しているのですが、今作『―10K』も非常に構えやすくて打ちやすいです。構えてた際のややアップライトな顔立ちや、少しボールの弾き感が強めな同社独特の打感は好みのフィーリング。好みは分かれると思いますが、私には好印象に映りました」

マン振りしてもブレない『10K飛(マントビ)』

―見た目も好印象?
「はい。『G430 MAX』と比べて投影面積が大きくなったと聞いていたのですが、実際に見比べるとそこまで大きく見えず、気にならない範囲での改良点だと思います。決して大きいとは思われない絶妙な変化で、安心感を増幅させています。1点だけ気になったのは、チタンとカーボンの境い目のラインが曲線となっていて、境い目のない『G430 MAX』と比べると、ややターゲットに合わせにくく感じるところ。ただ、これもデザインの多少の違いで慣れているかどうかの差。肝心なシルエットや形状はマイクラブとほぼ同じで、違和感の無さから構えやすく感じられました」

体積460ccのまま投影面積が拡大

―打感は独特なフィーリングに戻った?
「そうですね。2019年発売『G410 PLUS ドライバー』のときに感じた、ピン独特の硬めの打感に少し似ている印象を受けます。それ以降『G425』『G430』と少しずつ特徴が緩和され、やわらかさも覚えるフィーリングになってきていたのですが、今作はシッカリめの感触と打音に戻った感じ。ですが、これも見た目の印象と同じく、そこまで気になる大きな変化ではありません。同社のドライバーに慣れていたり、弾き感のあるインパクトを得たい人には好まれる打感。やわらかさを感じたい人には、既存の『G430 MAX』を選べばいいように思います」

「G430 MAX」よりさらに極薄化された新フェース

―他社の最新モデルと比べると?
「マイクラブとして普段から使っていることが大きく影響しているせいか、キャロウェイ、テーラーメイドの最新モデルよりピンが良かったです(笑)。理由は、ずばり形状や打感に慣れているからでしょう。そこにさらにブレずに飛ばすテクノロジーを搭載した“10K”モデルは、そのままスイッチしてもきっとすんなり使えると思います。他社のドライバーと比べると、インパクトゾーンでヘッドが戻るタイミングが私のスイングと合っている気がしました」

深低重心を可能にした「カーボンフライ・ラップ・テクノロジー」

―つかまり具合はそこまで良くなかったような…?
「うーん…。なぜか全ての打球が右に飛んでいって。でもつかまりが悪いとは…。んー、ただ単にマイクラブに慣れすぎているからだと思います。慣性モーメント“10K”うんぬんよりも、自分のスイングのせいのような…。テストで右に出ていたとしても、軌道修正はコースでできる自信はあります。はっきり言えるのは、マイクラブと同じくらい良い評価ということ。逆に言えば、そこまで『G430 MAX』との違いは感じませんでした

「同社1Wの安定感こそ武器であり 私の使用理由」(西川)

―どのような人向き?
「同社のドライバーは、これまで“10K”の領域まで届かなかった時代でも、すでに寛容性は高く、非力なゴルファーでもフィットするモデルを生み出してきました。女性やシニア層でも弾道の高さが出しやすく、つかまり具合の強い性能は、HS30m/s台の私が扱えている時点で実証済み。同社の凄いところはそこだけではなく、HSの速いプロや上級者からの支持も得られている点。彼らの基本的な対象はロースピンモデル『LST』になると思いますが、ロフトやシャフトを調整すれば『MAX』も『―10K』も可能性を感じられる。その部分は、同シリーズの強みといえます」

マイクラブ同等の高評価でオール4.5【総合評価4.5点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:ALTA J CB BLACK(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

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