クラブ試打 三者三様

タイトリスト GT3 ドライバーを西川みさとが試打「HS30m/sでも選べる『3』シリーズ」

2024/08/27 20:00

刷新されたスピード&操作性 HS40m/s未満の女子プロ評価は!?

新素材クラウン+リング補強フェースで新境地を切り開くタイトリスト「GT」シリーズ。中でも弾道調整機能を備え、自身の打点が集中するエリアに重心をカスタマイズできる「GT3 ドライバー」は、PGA選手が早くからスイッチしたことで話題を集めていた。ツアーが認めたスピードと抜群の操作性を有した同社自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「非力な私でも使えてしまう? 『GT2』よりやさしく感じる顔と性能」

打ち出し角は「GT2」のときより高く出ていた(平均13.6度 /「GT2」は13度)

―率直な印象は?
「コンパクトで黒一色のシビアな雰囲気から、試打前は全く太刀打ちできないと予想していたのですが、実際はボールが上げやすく、意外とやさしさを感じることができました。過去の『3』シリーズのイメージではHS30m/s台は対象外のところ、今作はシャフトを調整さえすれば実戦でも使用できると、思えるほどの扱いやすさ。非力な私でも使えてしまうので、驚きとともにとてもうれしい気分で試打を行うことができました」

視認しやすいフェース面に着目

―見た目はややシビア?
「そうですね。ディープフェースで、20~30年前の昔のゲンコツ型と呼ばれていた時代のドライバーに近しい形状で、やさしくは感じられません。ただ、『GT2』と同じく配色の妙なのか、構えて見てもフェース面が視認しやすく、ロフトがやや寝ている雰囲気を感じます。フェース最上部のライン(クラウンとの境い目)も直線すぎず丸すぎず、ちょうどいい塩梅(あんばい)。難しくもやさしすぎることもない絶妙なラインで、見た目からプレッシャーを感じない顔立ちです」

選ぶなら「2」か「3」で悩むという西川

―他の兄弟モデル(「GT2」「GT4」)と比べると?
「『2』は、先ほどの『3』のフェース上ラインの丸みが抑え気味で、少し立っている感じで、より操作しやすい雰囲気を味わえます。慣れの問題と思いますが、『2』のほうが『3』より直線的でターゲットには合わせやすく感じる。実際に打っても『2』のほうがより前に飛ぶ強い弾道で、初速スピードもより速く感じます。逆に『3』のほうがボールを上げやすいイメージ…。うーん、一般的なゴルファーとは逆なのかなー(?)。『4』はもちろん私には全く対象外と思えるほど、当てるだけで精一杯といった感じでした…(笑)」

空気の流れを最適化する「エアロダイナミクス」が進化

―前作までの「3」シリーズと比べると?
「『TSi3 ドライバー』『TSR3 ドライバー』と続く中で、スッキリした形状がシビアさを増幅し、かなりハードな印象を感じていました。それらと比べると、今作は別ものといえるほど異なるイメージ。シリーズ全体でやさしく進化し、前作の同数字モデルでの比較(『TSR3』→『GT3』のほか、『TSR2』→『GT2』、『TSR4』→『GT4』)では、全く別ものと思えるほど、ずいぶん違った性格に生まれ変わっていると感じました」

精密に弾道調整できる「Sure Fit CGトラック」搭載

―弾道調整機能がソール前方に付いた点については?
「以前まではヘッド最後部に付いていた弾道調整機能が、今作は前方にあることで重心が浅くなっているようです。ただし不思議なのは、そこが扱いにくさと比例していないこと。重心が浅くなると、よりハードでうまくコントロールできず、HSがないとボールが上がりきらない認識でしたが、弾道のやわらかさがプラスに働いているせいか、深重心だったときと扱いやすさが変わらない。今までは弾道調整機能が付いているだけで、重くハードなイメージを持っていましたが、今作は付いていないモデルとほとんど振り心地が変わらない点に驚きました」

「前作同様に『2』以上の寛容性を実感できた」(西川)

―どのような人向き?
「今作は私でも買おうか悩めるくらいのやさしさを有しています。『GT2』と同じで、どんなタイプのゴルファーも対象になり得るモデル。HS30m/s後半以上なら誰でもいけると思えてしまいます。今までのタイトリスト、特に『3』シリーズは難しいと決めつけていた人も、一度は試してみてほしい。今までの『3』とは一線を画す性能に、きっと驚き半分うれしさ半分な気分になれると思いますよ」

寛容性&操作性どちらも4.5点の高バランス【総合評価4.2点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10度
・使用シャフト:TENSEI 1K BLUE 55(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

タイトリスト
ツアーが認めたスピードと抜群の操作性
発売日:2024/08/23 参考価格: 107,800円