ブランド誕生10周年Aiフォージドアイアン テックNo.1の飛ばし屋コーチの評価は！？

キャロウェイ APEX Ai200 アイアンを国内ゴルフテックNo.1の飛ばし屋コーチが試打したら…【宮下敏弥】

精悍なルックスとやさしい性能で国内外問わず多くのファンを獲得しているキャロウェイ「APEX」シリーズ。ブランド誕生から10周年という記念すべき年に、「Aiスマートフェース」を搭載した新たなフォージドアイアンとしてリニューアルした。今回はそんな注目シリーズから、よりシャープな形状の「APEX Ai200 アイアン」をヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。国内ゴルフテックNo.1の飛ばし屋コーチ・宮下敏弥が試打評価を行った。

• HS40未満の女子プロ・西川みさとの場合
• ご意見番クラブフィッター・筒康博の場合

「とにかく前にズドンッ！ 飛距離を重視した低スピン性能」

持ち球の軽いドローボールで強弾道を連発

―率直な印象は？
「『Aiスマートフェース』搭載の効果なのか、飛距離はかなり伸びています（7Iで平均204.9yd）。前作や他社モデルと比べてもバックスピン量が極端に少なく（平均4132rpm）、飛距離性能に特化している印象。入射角をやや鋭く、少しハンドファースト気味にボールをとらえてロフト角を立てた状態で当てることができれば、とにかく前にズドンッ！ とぶっ飛ぶアイアンだと思いました」

トップブレードもソール幅も狭いシャープな形状

―見た目の感想は？
「見た目はグースが効いてオフセットが結構あるように見えました。上から見た顔立ちだけでボールのつかまりの良さを感じます。ただ、他社の飛び系アイアンと比べると、かなりシュッとスマートに見え、一見では7番で210yd近くも飛ぶようなモデルに見えない。実際に打ってみたギャップの大きさに驚く人は多いでしょう。細かく距離をコントロールするというよりは、ミスヒットした際も手助けしてくれるビッグキャリーが望めるアイアンだと思います」

ひと足早めに登場した単一素材「X FORGED」とは一線を画す複合素材

―4月に発売された「X FORGED アイアン」と比べると？
「『X FORGED』もコンパクトでシンプルなデザインの割に飛距離性能が高く、『Ai200』と近しい性格に感じます。が、スピンコントロールを含む操作性の部分では『X FORGED』のほうが優れている気がしました。比較的に『Ai200』のほうが前に飛ぶ力が強い。ただ、どちらも打感は心地よく、どちらかがフィーリングが良くてどちらかが悪いということではなく、それぞれの特徴を活かしながら差別化ができている。競技志向のより強い人は『X FORGED』、やさしく飛ばしたい人は『Ai200』と、理想のスタイルで選べる2ブランドになっているといえます」

左が「Ai200」右が「Ai300」。違いはフェース裏(上部)の微小な凹み

―兄弟モデル「APEX Ai300 アイアン」と比べると？
「並べて見比べると、どちらもオフセットは入っているのですが、より強く入っているのが『Ai300』。トップブレードもより分厚く、前に飛ぶイメージが抱ける形状です。実際に打った感触も『Ai200』より球質は強く、弾道は同じですが、もうひと伸びしてくれる印象。パーン！ とインパクトで弾く感じが強いので、フェースにボールが一瞬乗る『Ai200』とは対照的に感じられました」

左が「Ai200」右が「Ai300」。意外と違いが見られるアドレスビュー

―中空構造独特の軽い感触は残る？
「単一素材のワンピース設計ではないので、弾きは強く中空っぽい感じはあります。特に芯を外したときは、ドライバーでトウヒットしたときのようなモヤッとした感触は残る。ですが、全般的に嫌なフィーリングではありません。マッスルバックや軟鉄鍛造よりはダイレクトな感触ではないですが、見た目のシャープな印象がある影響で、鈍感なイメージは全くない。むしろ芯をとらえたときは程よい心地よさが残りながら、フィードバックも明確で、あえて他の構造を求めなくていいのでは… という気がしてくるほど好感触でした」

「弾道はほぼタイトリスト『T200』。ただ見た目はよりスマート」(宮下)

―どのような人向き？
「アイアンでしっかり前に飛ばしたい人向き。ちゃんと距離を稼いでくれるアイアンを探している人に向いています。メイン対象はスコア100、90切りを目指すボリュームゾーンになるでしょうか。ピンをデッドに狙いたい、シビアなコースを好んで回りたい人は、『X FORGED』と合わせて検討してみることをお勧めします」

HSの速い宮下には飛び重視に感じる結果に…【総合評価4.1点】

【飛距離】5.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】3.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角：30度
・使用シャフト：NSプロ 950GH neo（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

• 西川みさとは…「ライバルはT150？ 本格派中空」
• 筒康博は…「5番から入れたくなる高機能」