Carrys Qを西川みさとが試打「評価が難しい」
プロギア「Carrys Q」シリーズの評価は!?
ラフ、傾斜地、フェアウェイバンカーなどの窮地から助ける新発想のクラブとして、2018年に登場したプロギア「Q」シリーズ。2代目「Carrys Q(キャリーズ キュー)」はフェアウェイからやさしく打てるクラブとして加わり、4種類のロフト角が用意された。とにかく上がる、低重心ヘッドでキャリーが出るというコンセプトの新シリーズを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「たぶん芝生と人工芝で評価が違う」
―率直な印象は?
「このような個性的なコンセプトのモデルは、メリットが明確で分かりやすく、とても好みです。その一方で、評価をするとなると、とても難しい…(汗)」
―難しいというと?
「長所が目立つ一方で、短所も目立ってしまうということ。コースでのお助け要素が強い分、練習場のマット上で採点するには不向きなのかもしれません。正直に言うと、実際に芝生の上で試してみたかったです」
―そうですよね。ではあえて人工芝で感じた短所は何?
「うーん…、高く上がる性能に特化していて、あまり前に前に飛ぶ感じではなかったところです。特に打感が硬いというか、軽いというか、いまいち強く当たっている印象がありません。普段使っているフェアウェイウッド(以下FW)やユーティリティ(以下UT)よりも薄いインパクトに感じてしまうため、いつもより飛んでいない印象を受けました…」
―高さは出ていた?
「そうですね。コンセプト通り高さは出てくれたので、楽にボールを運べる感覚はもてます。ロフト角の立っているFWやUTでは、一番やさしさを感じる要素はやはり弾道の高さ。飛ぶ飛ばないは抜きにして、キャリーを出すことだけを考えれば、すごくメリットの大きさを感じます」
―全体のシリーズのバランスはどう?
「実は唯一Q4だけ球筋がすごく強く、異質に感じられたので、全体のバラつきが気になりました。Q4は球が高く上がるというよりも、ランが出て飛距離が稼げる印象。これは私の推測ですが、ロフト角24度のQ5、20度のQ4、19度のQ3、16.5度のQ3+を順に打つと、勝手に等間隔で飛距離が伸びるものと思ってしまうのですが、Q4とQ3の間だけ短く(1度のみ)、Q4の力強さが際立って見えたのかなと思います」
―どのような人向き?
「FWやUTに苦手意識を持っている人。コンセプトも見た目もユニークで個性的ではありますが、芝生の上のボールを拾う性能は十分に持ち合わせています。FWやUTでボールが上がらず、悩んでいる人を必ず助けてくれる。特にパワーが足りず、FWで高さが出ない人に一度、芝生の上から試してほしいと思います」
人工芝の上では厳しい評価【総合評価3.7点】
【飛距離】3.5
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:16.5度(Q3+)、19度(Q3)、20度(Q4)、24度(Q5)
・シャフト:オリジナル レギュラー(硬さ表示なし)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター
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