球筋と飛距離を自在に操れる「ZXi4」 HS40m/s未満の女子プロ評価は！？

スリクソン ZXi4 アイアンをHS40未満の女子プロが試打したら…【西川みさと】

シリーズ最大の飛距離と寛容性を兼ね備えたダンロップ「スリクソン ZXi4 アイアン」。新たにやわらかい新素材ソフトステンレスをボディに採用した2ピース中空構造で、優れた打感を実現しているという。そんなやさしく飛ばせるアイアンを、同時発売の「ZXi ユーティリティアイアン」と比べながら、HSの異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「軽い振り心地で上に上に 高さで止めるイマドキ飛び系」

一切の横ブレなく飛距離もいつもより10yd以上出ていた(7Iで平均152yd)

―率直な印象は？
「パワーがなくてもボールは楽に上がり、弾道の高さを出しやすく、すごくやさしさを実感できました。インパクトでそこまで押し出せた感じがなくても、トラックマンの数値を見ると納得のいく結果に（総距離:平均152yd）。軽い振り心地でもしっかり飛距離を稼げる。前に前に力強く飛ぶというよりは、上に上に飛ぶ感じが強い印象のアイアンです」

シャープなフォルムにシリーズ最高の飛距離と寛容性

―そこまで押し出せていない感触とは？
「打感がやわらかすぎるというわけではなく、球離れが少し早すぎる分、フェースにボールが食いつく感触が薄いときがあります。ヘッドの中身を感じるというか、空洞を意識できるというか…。フィーリングや飛び姿からいって、他の兄弟モデル『ZXi5』『ZXi7』とは全く別ものと捉えることができます。例えるなら、別家族？ んー遠い親戚といったところでしょうか（笑）。対象ターゲットもレベルも全く違うので、逆に選びやすいという声は多いかもしれません」

トップブレードが厚くボテッとした印象はないアドレスビュー

―他社の飛び系アイアンと比べると？
上に力強く上がってくれる分、ボールが意図通りにグリーンに止まってくれるイメージが湧きます。比較的に前作までは、他社の飛び系と同じく前への印象が強かったのですが、今作はスピンが少し増えている気がします。スピン量が増えた分、狙った距離を計算しやすい。そこが全体的にひと昔前の飛び系とは違い、進化した現在（いま）の飛び系の姿。他社も含め、以前の飛び系とは違う進化した部分といえるのかもしれません」

ヒールからトウにかけてコントラストを持たせた肉厚設計でミスへの強さを発揮

―「ZXiU」と比べると？
「もちろんユーティリティ（以下UT）なので、『ZXi4』以上に飛距離性能は高く、よりやさしい印象を受けました。非力な私でも4U(ロフト23度)で170yd近くまで飛ばすことができるほど、ぶっ飛ぶ性能です。ウッド型UTが苦手な人には最適といえるモデルではないでしょうか。ただ、アイアン型よりウッド型のほうが高さを出る分、ロングホールやミドルホールでの2、3打目でグリーンを狙う際に、ボールをより止めるイメージが湧くウッド型UTのほうが好みではあります」

ZXi4同様にシリーズ最高の打感と飛距離性能を有したZXiU（右）

―同シリーズでコンボを考えるとしたら？
「非常にハードに感じた『ZXi7』は選べないので、バッグに入れるとすれば『ZXi5』を9I～PWで、『ZXi4』を7～8I…といったところでしょうか。いやーでも、ちょっと部類が違うから組み合わせるのは難しいですかねー。というのも、そもそも私はアイアンを7番からしか入れていないので、コンボ向きのプレーヤーではないのだと思います。私的には現実的に『4』一択（コンボなし）。アイアンを4～5Iから入れているプレーヤーなら、ロングアイアンを『4』、ミドル以下を『5』『7』といった選択が多くなるでしょう」

「競技志向の強い人以外ならどんな人でも扱えてしまう」(西川)

―どのような人向き？
「アベレージゴルファーなら、どんなタイプでも扱えるアイアンではないでしょうか。HSは私くらいの速度（1Wで平均35～36m/s）から42～43m/sまで、かなり幅広い層のターゲットになると思います。ミスヒットに強く、弾道の高さを出しやすい性能は、アイアンを苦手にしている多くの人を助けてくれる性能に仕上がっています」

全アベレージゴルファーに“ちょい飛び”提供【総合評価4.1点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角：28.5度（7I）
・使用シャフト：Diamana ZXi（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋