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ドライバー買い取りはピンの高値続く ゼクシオに安定感

2020/05/24 11:30
中古市場で高い人気を誇るピン「G410 PLUS ドライバー」※提供:ゴルフガレージ多摩店

ラウンド自粛を続けているゴルファーは、この機会に自宅に眠るゴルフクラブを整理してみてはどうだろう。使わないクラブを中古ショップに売れば、次に買い替える際の資金にもなる。そこで気になるのは、現在の中古クラブの相場事情。今回はドライバーを中心に、ゴルフショップ『ゴルフガレージ』の担当者に買い取りニーズが高いクラブの傾向を聞いた。 ※買い取り価格は査定ランク『B』(ページ下参照)に設定

特定のクラブが高値で売れるケース

相場管理を担当する網野深志さんによれば、人気プロゴルファーが使って話題になったクラブの市場価値が一時的に上がるケースがあるという。例えば、2015年秋に発売されたキャロウェイの『グレート ビッグバーサ ドライバー』は、松山英樹が米国ツアーで使い始めた翌16年に人気が急上昇。「当時は1万5000円ほどの買い取り価格が、2割ほど上がって1万8000円ほどになりました。今はもう落ち着きました(8500円前後)が、上昇期は半年ほど続いたと思います」と振り返る。

ピンは高値傾向が続く 女子プロ効果が後押し

世界の主要ツアーが開催を見合わせていることもあり、現時点で価値が急騰中のモデルは「ありません」とのこと。ただし「相場は上がらないまでも、あまり下がらないものはあります」と、値崩れが抑えられているモデルが存在する。

ゴルフガレージ多摩店(東京都多摩市)の塙裕之店長が一例に挙げるのは、鈴木愛渋野日向子比嘉真美子ら契約女子プロの活躍が目覚ましいピンのドライバーだ。中でも、2017年発売の『G400』シリーズ、19年の『G410』シリーズは、現在も値崩れが抑えられているという。

渋野日向子の快挙がピンのドライバー人気に拍車をかけた ※2019年「AIG全英女子オープン」撮影

塙店長によると、2017年半ばまではテーラーメイドの“一強”(主に『M1』や『M2』、『グローレ』シリーズ)だったが、同年秋に『G400』シリーズが発売されてからは、口コミでも評判が広がり人気が二分した。さらに19年8月、ピン契約の渋野日向子が「AIG全英女子オープン」を制したことで、使用していた『G410』(同年3月発売)シリーズの人気が爆発。「去年の夏から秋口過ぎくらいまで、店頭に一本もない状況がありました。今はピーク時よりも落ち着いて在庫はありますが、ドライバーでは不動の地位を得たと言えるでしょう」

5月中旬時点の買い取り価格は、『G400 ドライバー』が1万9000円前後、渋野が使用する『G410 PLUS ドライバー』が2万9000円前後。同年発売の他社モデルと比べると、今なお高値をキープしている。

ゼクシオも高値安定 テーラーメイドは…

2000年の初代登場から固定ファンが多い住友ゴム工業の『ゼクシオ』は、中古市場でも人気ブランドのひとつ。一世代前の『ゼクシオ テン ドライバー』(2017年発売)の買い取り価格は、1万8000円前後と高値が続いている。塙店長によると「ドライバーの買い取り価格は『ゼクシオ ナイン』(2015年発売)までは断トツでしたが、『ゼクシオ テン』くらいから少し陰りが見えてきました。ゼクシオユーザーだった年配層が、テーラーメイドやピンに移行しているのだと思います」とのこと。それでも「やはり人気はあるので、そこまで買い値は落ちていません」と、相変わらずの存在感を誇っている。

その根強い人気はもちろんのこと、塙店長は『ゼクシオ』の値崩れが小さい理由に、最新モデルの発売周期を挙げる。「新製品を1年周期で出すメーカーが多いなか、『ゼクシオ』は2年のサイクルを続けています。その分、マークダウン(新製品の発売に伴う値下がり)による値崩れが緩やかなのだと思います」と分析した。

テーラーメイド製を売るのなら早期がオススメ ※提供:ゴルフガレージ多摩店

対して、値崩れが早いメーカーに挙げるのは、速いペースで次々と新製品を送り出しているテーラーメイドだ。「発売から1年経つとメーカーが価格を下げるので、中古市場での落ち方も早いですね。テーラーメイドのクラブを売るのなら、早め早めをお勧めします。機を逃すと半額くらいになってしまいますから」。なお、2017年発売の『M2 ドライバー』の買い取り価格は1万1000円前後となっている。

装着シャフトで査定額に差は?

網野さんによると、同店ではドライバーに装着されたカスタムシャフトの査定額ついて「あまり差をつけていません」とのこと。例えば、グラファイトデザイン『ツアーAD』、三菱ケミカル『ディアマナ』、藤倉コンポジット『スピーダー』、USTマミヤ『ATTAS』の4シリーズは同じ水準で査定され、発売年度により買い取り額が決まる。近年のモデルだと、2018年発売の藤倉コンポジット『スピーダー エボリューション 5』の装着ドライバーは、査定額が約20%アップ。人気度や需給バランスによって多少の変動はあるが、ヘッド本体に比べると市場から受ける影響は小さいようだ。

「スピーダー エボリューション 5」は中古市場で多く流通する人気シャフトのひとつ

一方、メーカー純正のオリジナルシャフト装着ドライバーは、交換スリーブ付きで「1000円から3000円ほど」(塙店長)のプラス査定となり、スリーブなしだと「ゼロに近くなります」という。

次回は、フェアウェイウッド&ユーティリティの相場事情をお届けする。

※査定ランクB:クラウン・バックフェース・シャフトに傷はなく、ソール・フェースに目立たない傷はあるが、全体的にきれいな状態(ゴルフガレージの査定基準による)

ピン
発売日:2019/03/21 参考価格: 74,520円
ダンロップ
高弾道で気持ちよく軽快に飛ばせる
発売日:2017/12/09 参考価格: 86,400円