「なんで“7番”で練習するの!?」を徹底解明
ワンレングス「“7番”だけで18ホールまわったらどうなる!?」 素朴な疑問を徹底解明
練習に適した7Iのみでラウンドしてみたら…
先日公開された『「なんで“7番”で練習するの!?」 素朴な疑問を徹底解明』の記事で、7番アイアン(以下、7I)がほかのクラブと違って特別な番手であることがわかった。そこで次なる疑問は、練習に適した7Iのみでラウンドしてみたらどうなる? だろう。ドライバーやウェッジをキャディバッグから抜いて、パター以外は“7番”だけで18ホールをプレーしてみた。
2本 vs 14本、正直どっちがスコアがいいの!?
検証内容は、編集部員U(39歳、ゴルフ歴13年、平均スコア98)が、7Iとパターのみの2本セットとフルセット14本を別日に同じコースでまわり、どちらがスコアがよいか実証するというもの。なるべく同じ条件となるように、同じような天気、同じような風量、同じような体調(?)、まったく同じウェア(洗濯済み)でラウンドしてみた。
結果は…1打差、ほぼ同スコア!!
結果はなんと2本セットが「103」vs14本セットが「102」と大接戦。結局14本セットが勝ったものの、その差はたったの1打。パターの良し悪しも含めると、純粋にクラブの対決としては、ほぼ互角という結果になった。
「予想どおりの結果ですね(笑)」(筒氏)
この結果を踏まえ、カリスマクラブフィッター筒 康博 氏に見解を尋ねると、「予想通りの結果ですね(笑)」との返答。「7Iのみのラウンドは、ショットで大きなミスがなくなるメリットがありますが、少ないロフト角がショートゲームで妨げになるデメリットもあったと思います。プラスとマイナスで、フルセットとほぼ同じ結果になったのでしょう」とまとめてくれた。
7Iはオールマイティな万能クラブ!
「ただ、ここで注目したいのは、よく7Iのみでフルセットとほぼ同じスコアでまわれたよね、という部分です」と筒氏は切り出した。「ティショットで距離を稼ぐドライバーや、バンカーなどのリカバリーで必要なウェッジがないにも関わらず、フルセットと互角に戦えたのは7Iがもたらす万能性があったからでしょう」というのだ。
7Iは“方向性”と“飛距離”が両立したベストな長さ!
筒氏はまずクラブの長さを“万能性”の要因に挙げた。
「7Iの長さ(平均37~38インチ)は、左右のミスを心配することなく、ティショットを気軽に振っていける長さであり、パーオンを狙っていける飛距離も出せます。万能の長さを裏付ける事実として、7Iの長さで統一された“ワンレングスアイアン”という商品がクラブメーカーから発売されているほどです」。
7Iは“小技も生かせる”ベストなロフト角!
次にロフト角について。
「“7番”のロフト角なら、アプローチでもパターのように振れば転がせるので、グリーン周りも難なく寄せられます。多少テクニックが必要ですが、ロブショットも辛うじて打つことができます。7Iはどの番手の代わりも務められるちょうどいいロフト角を備えているといえます」。
クラブを減らすと“ラウンド力”が身につく!
筒氏は「7Iのみでラウンドした時のほうが、頭を使いませんでしたか?」と続ける。
「どこにどのように狙ってグリーンに運べばいいか、ボールの位置を変えてショットを打てばいいのか。クラブが少ない分だけ必死になって考えたと思います。なんとかしようと。逆を言えば、それだけフルセットでは、ラクをしていることにも気づいたでしょう。スコアアップを目指すには、クラブの種類をそろえることも大事ですが、同じくらい“ラウンド力”を身につけることが重要なのです」と今回の検証についてまとめてくれた。
同じように7I一本でゴルフ場へ行く人が続出する――とは、さすがに思わない。皆さんが練習場でよく使っている7Iを、これまで以上に愛着を持つきっかけとなってくれたのなら幸いだ。
解説/筒 康博
ゴルフ工房「G-XX(ジックス)ゴルフプロデュース」を主宰。ゴルフコーチ、クラブフィッター、クラフトマンとして数々のゴルフ誌にて活躍。プロアマ問わず約7万人以上のゴルファーにアドバイス経験を持ち、フィッティングセミナーや講演も精力的に行っている
撮影協力/ロイヤルスターゴルフクラブ
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