米国発の“やさしさ”融合でイメージを覆す
「カウンターバランス」でヘッドスピードが上がる
ディナリ レッドの特徴であるカウンターバランスは、シャフトの手元側を重くすることで、大型化したヘッドの重さが相対的に軽く感じるようになる。そのため、クラブが振り抜きやすくなり、ヘッドスピードが上がるという効果がある。
「カウンターバランスは飛距離に大きく影響を与えるファクターと考えています。アマチュアの場合、ヘッドスピードが上がることで、ボール初速が上がる方が多いです」(伊能)と、パワーがないアマチュアゴルファーにとっては、大きな恩恵を与えてくれるようだ。
この特徴はタイトリストがGTシリーズの“相棒”に求めていたものでもあった。
「シャフトの選定は米国本社のプロダクト担当者が行っているのですが、カウンターバランスを持ったシャフトの採用は当初から視野に入れていました。市場にあるさまざまなモデルをテストした結果もそうですが、トゥルーテンパー社との長年のパートナーシップも採用の理由に挙げられます」(根津)
ブランドイメージに“やさしさ”が加わる
一方で想定外の組み合わせも選ばれているそうだ。
「われわれとしても意外だったのですが、GT 2 ドライバーよりも操作性が高いGT 3 ドライバーにディナリ レッドという組み合わせも多いんです。ヘッド形状の好みでGT 3を選びつつ、よりやさしく振れるディナリ レッドを合わせているのだと思います」(根津)
タイトリストの純正シャフトに採用されたことで、トゥルーテンパーには日本国内のメーカーから「純正シャフトとして検討したい」という問い合わせも増えているそうだ。
「日本人ゴルファーは良い意味で身の丈を知っているのか、(ハードヒッター向けのシャフトを)なかなか選ばないようです。良くも悪くもブランドイメージが(プロや上級者向けと)固まっている中で、一般的なアマチュアユーザー向けに開発されたシャフトが採用されることはありがたいです」(伊能)
今回のGTシリーズとディナリの組み合わせは、両社のブランドイメージに、幅広い“やさしさ”を加えるきっかけになりそうだ。