アイツは6番だけどオレ8番!ムフフな“ぶっ飛びアイアン”をこっそり中古で
年々、飛距離が落ちてくると、パー3で手にするクラブはフェアウェイウッドやユーティリティ。同伴者が持つクラブが気になって「昔はオレもアイアンで打っていたのに…」と心がざわめく。アイアンは本来、狙った距離を打つクラブと分かっちゃいるけど、いつまでも飛ばしたいのがゴルファーの性というもの。巷で言うストロングロフトだって、流行りの“ぶっ飛び”モデルだって構わない、という方のために中古で飛び系アイアンを探した。
飛び系アイアンのルーツは
30年前、7番アイアンのロフト角は36度前後が一般的だった。それから約10年後に34度を切り、2023年度の売上上位10モデルを平均すると、30年前の5番のロフト角と遜色ない29.3度(矢野経済研究所調べ)。筆者もゴルフを始めた30年前から「7番=150yd」の飛距離を保っているが、時の流れとともにアイアンのロフトが立つようになったのも事実だ。
2000年代後半、プロギアの「eggアイアン」(2007年)やヤマハ「インプレス X クラシック」(2010年)といった、7番で30度を切るモデルが登場したのが“飛び系アイアン”の始まりかもしれない。そのジャンルは10年前、ヤマハ「インプレスRMX UD+2」(2014年)の大ヒットにより確立された。「飛距離は5番並み、弾道の高さは7番並み」という実力が評価され、現在でも人気があり、カーボンシャフトモデル6本セットで4万円台から見つかる。
飛び系アイアンのテクノロジー
古いモデルを中心とした飛び系の多くは、アイアン型UTのような形状。ヘッドの高さを抑え、ネックが短く、ソール幅が広い。比重の重い金属を用いて、低重心化を徹底することで打ち出し角を上げる。また、フェースの肉厚を極力薄くして、弾きをルール限界値に近づけることも忘れない。シャフトも長いのでヘッドスピードが上がりやすい。
ただし、低重心にするとバックスピン量は減る。飛距離の点では有利だが、グリーン上でボールを止める点ではデメリットになるだろう。もちろんシャフトが長ければその分、芯に当てにくくなるから安定性の面で不安が残る。
ぶっ飛びアイアンの“極み”
飛び系の中でも極めつけは、各番手とも平均モデルのロフト角より2番手から1.5番手近く立っている。ダンロップ「ゼクシオ クロス」(2020年)は7番で25度と最強レベル。チタンフェースにステンレスボディ、ソールにはタングステン。通常のゼクシオよりもさらに幅広ソールでボールを浮かせる。5本セットで4万円台から見つかった。
タイトリストからは「T400」(2022年)。ロフト角は26度。中空構造でソールにはタングステン。ヘッドサイズは大きく、同社が持つ硬派なイメージは薄い。6本セットで7万円前後が相場だ。
「飛ぶのは良いけど、ユーティリティみたいな外見はイヤ」という人には、ヤマハ「インプレス ドライブスター」(2022年)がオススメ。飛び系に見えない「イイ顔」が特長で、7番は25度。モデルチェンジが予想されており5本セットで6万円台から見つかった。プロギア「03」(2022年)もぶっ飛び系に見えにくい。軟鉄鍛造ボディに弾きの良いニッケルクロムモリブデン鋼のフェースで高弾道を実現。5本セットで6万円前半だろう。
やっぱりスピン量も欲しいなぁという人へ
仲間に飛び系と悟られず、グリーン上でも球を止めたいゴルファーには7番で28度前後のモデルがオススメだ。ダンロップ「スリクソンZX4」(2021年)はアスリートっぽさを感じる見た目で中空構造。7番で28.5度。6本セットで5万円台前半から。
ピン「i530」(2024年)7番は27.5度。ヘッドサイズも大きすぎずアスリート向けモデルに見える。現行モデルのため5本セットで10万円前後が相場だ。タイトリスト「718 AP3」(2017年)は7番が27度。大きめのヘッド、アスリートモデルの「718 AP2」のような硬派な印象を受け継ぎながら飛距離アップが望める。6本セットで6万円台前半といったところ。
ブリヂストン「JGR HF3」(2019年)はお財布にやさしい。軟鉄ボディなので、ライ角、ロフト角の調整ができる。5本セットが3万円台前半で手に入る。
飛び系アイアン購入の注意ポイント
飛び系アイアンは魔法のステッキではない。基本的にはロフトを立てることで飛距離を出しており、セットの両端の番手で“不都合”が出やすい。長い番手はより正確に飛ばすのが難しく、ロフト角が大きい短い番手も思った以上に飛距離が出る。ぶっ飛び系のPWはロフト角が40度以下になることが珍しくない。その分、さらに短い番手の工夫が必要だ。
スピン量の違う単品ウェッジで飛距離のギャップを埋めるのは難しく、AWやGWといった単品の番手が含まれているセットの購入をすすめたい。愛用のウェッジとうまくつながるような構成にしよう。
上級者は「アイアンの飛距離にこだわるようではうまくなれない」と言う。とはいえ、ゴルフの楽しみはスコアだけではない。やっぱり「飛ぶ」のはいつだって魅力なのだ。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。
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