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星野陸也のホワイトライズ、上田桃子のX HOT…プロが思わずポチっ「絶版クラブリスト」

2024/09/20 20:00
星野陸也の「ホワイト・ライズ」スペアたち。フェースにはクラブ長を示す数字が書かれている

ツアーを戦うプロのクラブをチェックすると、「こんな古いモデルをまだ使っているの?」というケースがある。メーカーも古いクラブをいつまでも保管しないので、プロも最近は中古ショップやオークションサイト、フリマサイトで探すケースが少なくないとか。我々も一緒に探してみようじゃないか。

「ホワイト・ライズ」や「2ボールブレード」のスペア探し

星野はこまめに中古品を探し、エースのスペアを作っている(写真は昨年の中日クラウンズ)

DPワールドツアー(欧州ツアー)で活躍する星野陸也は、高校生の頃に中古ショップで出合ったオデッセイ「ホワイト・ライズ iX #3 SH」(2012年)を愛用している。スペアもしっかりとキープしている。オンラインで、7000円程度で見つかった。

発売から21年経ったオデッセイ「ホワイト・ホット 2ボールブレード」(2003年)を握るのが岩田寛片岡尚之。片岡が使い始めたのは大学時代、実家で父のパターを借りたのがきっかけ。両選手ともスペアを所有している。中古はかなりレアで、状態の良いものは1万円以上の値がつくこともある。

海外でも絶版モデルのアイアンが愛されている

ブルックス・ケプカの3番アイアン

2016年「全英オープン」を制したヘンリック・ステンソン(スウェーデン)は、キャロウェイの「レガシー ブラック アイアン」(2011年)がお気に入り。メーカー担当者から日本限定モデルを紹介され、2013年に使い始めた。2022年のインタビューによると、スウェーデンの自宅には2セット、米国フロリダ州には数セット(そのうち2セットは新品)を、さらにキャロウェイの本社にもキープしているという。遠藤製作所製というのも心ひかれる。フリマサイトでは6本セット、3万円前後で見つかった。

ブルックス・ケプカが使うナイキ「ヴェイパー フライ プロ」の3番も絶版でレア度が高い。5番からPWまでの6本セットで販売されたアイアンセットで、3番をオプションで購入するとなると、なかなかのマニアだろう。フリマサイトでは6万円以上の値段が付いていた。正直、なんの変哲もないステンレスボディのキャビティアイアンなので、我々アマチュアは魔法の一本という期待は持たないほうが良い。

ユーティリティは絶版モデルの宝石箱やぁ

菊地絵理香が未だに使い続ける「816H1」

キャディバッグ内のアイアンの本数が減っていく限り、ユーティリティの需要は高くなる。菊地絵理香が使い続けるタイトリスト「816H1」(2015年)は、上田桃子も使用している。当時はロフト角の大きい番手を発売するメーカーが少なく、25度、27度はかなりレア。見つけたら即買いがオススメだ。1万円を切るぐらいが相場。

堀琴音はかつて、SNSを駆使してブリヂストン「ツアーステージXドライブGR」(2012年)を探し出した。高校生の頃から愛用していた。U5(25度)は希少性が高いが、もし見つかれば5000円以下で入手可能だろう。

ハイロフトのフェアウェイウッドは即買いだ

米国では低スピンで飛距離重視のモデルが好まれるようだが、日本人選手はボールがつかまって、高さが出るフェアウェイウッドを使い続けるケースが目立つ。古江彩佳はブリヂストン「ツアーB JGR」(2019年)の3Wを長らく使用。堀川未来夢も7Wを愛用している。アベレージゴルファーにもオススメしたい逸品だ。1万円前後で見つかる。

西村優菜もキャロウェイ「グレートビッグバーサ」(2015年)の7W、9Wを使い続けてきた。こちらも球がつかまって上がる。3W、5Wなら見つけやすい。6000円前後が相場だ。

上田桃子の「X HOT PRO」は長期政権

柏原明日架が使っていたキャロウェイ「ローグ」(2018年)の11Wはかなりのレア。というのも日本仕様は7Wまでしかラインアップされていない。同社はショートウッドで一時代を築いたメーカー。US仕様では現行の「パラダイムAiスモークMAX」にも9W、11Wがある。

上田はキャロウェイ「X HOT PRO」(2013年)を長らく使う。モデル名はPROでも扱いやすい。上田は色が日本仕様と異なるUS仕様を愛用。5000円前後で見つかるだろう。弾きの良さを感じる打球音が特徴だ。

進化のスピードが早いドライバーでも替えられない逸品が

市原弘大がスペアを探しているというドライバーが、キャロウェイ「ローグサブゼロ」(2018年)。キャロウェイは現在、低スピンモデルにトリプルダイヤモンドの名称を付けているが、以前はサブゼロがそれを示していた。ローグサブゼロは群を抜いて低重心。スピンの多さに悩んでいるゴルファーが試しやすく、1万円台前半の価格も魅力だ。

プロが替えられない古いクラブは、最新モデルよりも優れているとは正直、言い難い。慣れがモノを言う。フェースの見え方やヘッドの形状は、構えやすさに繋がり、打感の好みも譲れない要素になるだろう。発売して時間が経っているクラブはコスパがかなり良いので、試す価値は十分あるだろう。(文・田島基晴)

■ 田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

オデッセイ
発売日:2012/10 参考価格: 27,000円
ブリヂストン
発売日:2019/09/13 参考価格: 38,880円
ブリヂストン
発売日:2013/11/08 参考価格: 62,640円
タイトリスト
ヘッドが大きく高弾道で狙える
発売日:2015/10/23 参考価格: 45,360円