第2話 まっすぐ狙うのがゴルフじゃない
鳥かごのゴルフと3次元ゴルフ
「コースではまっすぐ狙ってはいけません」。こう言われたら「えっ?」と戸惑うかも知れません。確かに、ゴルフはターゲットを狙うスポーツです。いかなるショットもターゲットを想定し、そこに運ぶ意識が肝心ですが、だからといって、いつもターゲットに対してまっすぐに立って、まっすぐに狙えば良いということではありません。
打ちっ放しの鳥かごの中では、ターゲットに対してまっすぐ構えて、まっすぐ狙えば、そこそこ思い通りにボールを運べるかもしれません。しかし、コースは水平な練習場とは違います。前後左右の傾斜ライや、第1話でお話ししたコースの罠があり、まっすぐ狙うことでリスクが高まることだって多い。ショットや球筋を狂わす3次元的な要素が満載なのです。
ですから、考え方を根本から変えましょう。コースではまっすぐ狙えないのが当たり前!曲がるのも当たり前だし、思った通りの距離に運べないのも当たり前。そんな状況の中で、少しでも理想の結果に近づける確率を高めること。結果オーライを増やすこと。それがマネジメントの原点です。今回は上りのセカンドショットで、結果オーライを増やすマネジメントの考え方を学んでいきましょう。
まっすぐに狙うリスク
たとえば、この残り150ヤードの上りのライ。私の場合、まず考えるのは、まっすぐ構えることによるリスクです。ピンに対してまっすぐに立てば、スイングに対して傾斜が最も急になりますよね。フォローでクラブが抜けずに、ヘッドが斜面に突っかかる恐れもあるし、バランスを崩すリスクもあります。傾斜とケンカしたくはありません。
■ 中井 学 プロフィール
1972(昭和47)年 大阪府豊中市生まれ。中学生でゴルフを始め、高校3年生時に日本ジュニア出場など活躍。92年に渡米し大学に通いながらゴルフの腕を磨く。現在はプロゴルフコーチとしてツアープロからアマチュアまで指導。
中井学のゴルフマネジメント 記事一覧
- 2010-06-03第6話 ゴルフはミスを楽しむゲーム
- 2010-05-20第5話 距離感を高める"足し算"の発想
- 2010-04-22第3話 バランスで考えるショットメーキング
- 2010-04-10第2話 まっすぐ狙うのがゴルフじゃない
- 2010-03-25第1話 コースの罠を楽しもう!