中井学のゴルフマネジメント

第6話 ゴルフはミスを楽しむゲーム

2010/06/03 00:00

刻むとはどういうことか?

スプーンでカーンと打って、グリーン近くまで運びたいところですが、どうもスプーンの当たりが悪く、左にひっかけそうで自信がない。じゃあ、ここは刻むとしましょうか。

長い番手で、とにかくできるだけ近くに運んで・・・。みたいな考え方が普通でしょう。もちろん、なるべく近くに運べれば安心できるでしょうが、それは「刻む」というマネジメントではありません。

刻むというのは、自分が狙いやすい距離を残して、打ちやすいライに運ぶこと。それが、「刻む」というマネジメントです。ですから、距離を稼ぐために漫然と前に進めるのではなく、残りの距離を意識して、しっかりターゲットを決めることが大切です。

長いアイアンも不安ならば、例えば8番アイアンを2回打つという選択肢だってあると思います。その方が、同じリズムで打つことができて、良い結果につながる場合だってあるのです。

3次元感覚を持って、ミスを楽しんでください!

コースの錯覚がもたらす罠、まっすぐ狙わずゾーンで考えるマネジメント、前後左右の傾斜ライによるショットの影響、アプローチのイマジネーション、距離感を高める考え方・・・。コースでの3次元的な視点で、マネジメントの考え方について、さまざまなヒントを得られたなら光栄です。

とはいえ、ラウンドは2~3ヶ月に1回とか、がんばって月イチとか、なかなかコースで実感できるチャンスを持てない人も多いでしょう。しかし、これからは、たとえプレー頻度が少なくても、いつも3次元ゴルフの意識を持って、臨んでくださいね。

自分の苦手なところをわきまえつつ、ショットのミスとマネジメントのミスを切り分けながら、コースと向き合うことができるはず。コースでたくさんの課題を見つけて、しっかりと持ち帰ることができれば、次のゴルフが待ち遠しくなるでしょう。ラウンドする度に、次へのモチベーションが高まるでしょう。もう、結果に一喜一憂して終わるようなゴルフとはおさらばです!!

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■ 中井 学 プロフィール

1972(昭和47)年 大阪府豊中市生まれ。中学生でゴルフを始め、高校3年生時に日本ジュニア出場など活躍。92年に渡米し大学に通いながらゴルフの腕を磨く。現在はプロゴルフコーチとしてツアープロからアマチュアまで指導。

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