第6話 ゴルフはミスを楽しむゲーム
刻むとはどういうことか?
スプーンでカーンと打って、グリーン近くまで運びたいところですが、どうもスプーンの当たりが悪く、左にひっかけそうで自信がない。じゃあ、ここは刻むとしましょうか。
長い番手で、とにかくできるだけ近くに運んで・・・。みたいな考え方が普通でしょう。もちろん、なるべく近くに運べれば安心できるでしょうが、それは「刻む」というマネジメントではありません。
刻むというのは、自分が狙いやすい距離を残して、打ちやすいライに運ぶこと。それが、「刻む」というマネジメントです。ですから、距離を稼ぐために漫然と前に進めるのではなく、残りの距離を意識して、しっかりターゲットを決めることが大切です。
長いアイアンも不安ならば、例えば8番アイアンを2回打つという選択肢だってあると思います。その方が、同じリズムで打つことができて、良い結果につながる場合だってあるのです。
3次元感覚を持って、ミスを楽しんでください!
コースの錯覚がもたらす罠、まっすぐ狙わずゾーンで考えるマネジメント、前後左右の傾斜ライによるショットの影響、アプローチのイマジネーション、距離感を高める考え方・・・。コースでの3次元的な視点で、マネジメントの考え方について、さまざまなヒントを得られたなら光栄です。
とはいえ、ラウンドは2~3ヶ月に1回とか、がんばって月イチとか、なかなかコースで実感できるチャンスを持てない人も多いでしょう。しかし、これからは、たとえプレー頻度が少なくても、いつも3次元ゴルフの意識を持って、臨んでくださいね。
自分の苦手なところをわきまえつつ、ショットのミスとマネジメントのミスを切り分けながら、コースと向き合うことができるはず。コースでたくさんの課題を見つけて、しっかりと持ち帰ることができれば、次のゴルフが待ち遠しくなるでしょう。ラウンドする度に、次へのモチベーションが高まるでしょう。もう、結果に一喜一憂して終わるようなゴルフとはおさらばです!!
■ 中井 学 プロフィール
1972(昭和47)年 大阪府豊中市生まれ。中学生でゴルフを始め、高校3年生時に日本ジュニア出場など活躍。92年に渡米し大学に通いながらゴルフの腕を磨く。現在はプロゴルフコーチとしてツアープロからアマチュアまで指導。
中井学のゴルフマネジメント 記事一覧
- 2010-06-03第6話 ゴルフはミスを楽しむゲーム
- 2010-05-20第5話 距離感を高める"足し算"の発想
- 2010-04-22第3話 バランスで考えるショットメーキング
- 2010-04-10第2話 まっすぐ狙うのがゴルフじゃない
- 2010-03-25第1話 コースの罠を楽しもう!