第6回 諸刃の剣 アッパーブロー
2014/04/10
ドライバーは当たっても、アイアンではダフリに
堀尾プロ「インサイドアウト軌道の河本さんは、クラブがVゾーンから内側に外れてしまう傾向があります。いわゆる“クラブが寝てしまう”という動きです。これは、ヘッドがインサイドから降りてくる動きのほかに、下から上にすくうような動きになる“あおり打ち”になりがちです。アッパーブローと言うと聞こえは良いのですが、この角度が強いとかえって飛距離が出にくくなります。」
河本さんのアタック角
■ インパクト時のクラブ軌道に注目!
ボールに対してヘッドが下から上へ、すくうような動きになっている
※アタック角:11.0度(アッパーブロー)
■堀尾プロの解説
堀尾プロ「アッパーブローは、フェースをコントロールして、しっかりと芯で打てれば、飛距離を稼ぎやすい打ち方です。けれども、これができるのは一部の上級者に限られてしまいます。一般のゴルファーは、ボールの高さを出そうとしたり、体重が右足に残りすぎたりして、正しいアッパーブローにはなっていません。アッパーブローの角度が強いと、ドライバーはフェースの下部に当たりやすく、スピン量の多い弱々しい弾道になってしまいます。何より芝から直接打つ機会の多いアイアンでは、とてもダフリやすくなります。」
アッパーブローが許されるのはドライバーだけ
堀尾プロ「ティアップしてボールが宙に浮いている状態で打つドライバーであれば、アッパーブローで打つことは可能です。しかしアイアンは地面から打つため、アッパーブローでは直接ボールを打つのが難しく、ボールコントロールができなくなります。とはいえ、アッパーブローがすべて悪いというわけではなく、ほどよいアッパーブローはドライバーでは効率の良いボールを打つのに有効です。アッパーブローもアタック角の目標数値はプラスマイナス5度。0度が100点満点というわけではないので0度を無理に目指す必要はありません。」
- 堀尾研仁
- 1971年4月16日生まれ 岐阜県出身。
デビッド・レッドベター氏に師事し、ゴルフティーチングの世界に入る。1997年よりデビッドレッドベターゴルフアカデミー公認インストラクターとして多くのゴルファーを指導。2002年にKEN HORIO GOLF ACADEMYを設立。2003年よりツアープロの帯同コーチとして活動開始。当時ノンシード選手であった田島創志選手、高橋竜彦選手の初優勝に貢献した。2005年には谷口徹選手の帯同コーチとして、全英オープン、全米オープン、全米プロといったメジャートーナメントにも同行。
現在は多数のプロゴルファーの指導と共に、各メディアへの出演、アマチュア向けのスクール運営、企業向けのイベントなども精力的にこなしている。
- KEN HORIO GOLF ACADEMY http://www.kenhoriogolfacademy.jp/index.html/
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