Lesson.5 フラれるためのグリップ・プレッシャー
グリップの形以上に注意を払うべきもの
前回は、腕が振られるためのグリップの形を覚えましたが、今回のテーマはグリップ・プレッシャーです。グリップに関して2回に渡りお届けすることでも、腕がフラれるスイングにおいて、いかにグリップが大切であるかが、うかがえるはずです。
そして、腕が自然に振られるために、グリップ・プレッシャーはグリップの形以上に、細心の注意を払うべきところなのです。グリップの力みは、腕を能動的に振ってしまうことにつながりますが、緩み過ぎも禁物です。まず、緩み過ぎの悪い例から見ていきましょう!
緩め過ぎると結局力みます
グリップが力むと、腕全体が力んでしまう。こうした理解が広がってきたので、グリップをゆるゆるに握るように意識している方が多くなってきました。しかし、実は緩め過ぎも禁物です。グリップがあまりに緩いと、スイングの最中に握り直したり、途中で必要以上の力を加えてしまったりという結果につながります。
緩め過ぎたグリップでは、テークバックやトップで、結局はグッと握り直してしまい、写真のように、フェースが被りながらカット打ちになってしまうケースがとても多いんですね。これでは、何のために緩めたのか分かりません。理想は、スイングの最中に、グリップのプレッシャーをできるだけ一定に保つことなんです!
プレッシャーを一定に保つ力加減とは?
緩み過ぎれば、スイングの最中に突発的に力みを生じるし、ガチガチに強く握っていれば、腕で積極的に振ってしまいます。ですから、緩まず力まず、ちょうど良い力加減で握ることがとても肝心です。
中井学流では、マックスの力とゆるゆるの脱力状態との中間くらいで握ること。一度、最大限の力を込めて、握ってみてください。次に、ゆるゆるの状態で握ってみましょう。こうすると、最大限とゆるゆるの中間になる自分の力加減が分かるはずです。
腕をほどよくリラックスできる握り方
ここまでの話は、グリップ全体の漠然とした力加減でしたが、これだけでは不完全です。どの指をしっかり握り、どの指を緩めるのかを知ることで、腕が振られるための理想のグリップがはっきりと見えてきますよ。
試してみてください。両手の親指と人差し指をしっかり握った場合と、中指から小指3本をしっかり握った場合。親指と人差し指を強く握った場合の方が、腕全体、腕の上腕外側から肩にまで力が入ってしまうことが実感できます。
一方、親指と人差し指を緩め、中指から小指までの3本をしっかり握った場合は、前腕内側には力が入りますが、腕全体が力むことはありませんよね!
左手は中指から小指までの3本で握る
左グリップで親指と人差し指に力が入っていると、上腕から肩まで、腕全体に力が入ります。従って、ダウンスイングでは、左腕で強く引っ張りがちになります。ですから、左グリップでは中指から小指までをしっかり握り、親指と人差し指は力まないようにするのです。
ここにきて、古くから言われてきた、左グリップの中指から小指までをしっかり握るという基本の、真の意味が理解できたと思います。
よって、左人差し指と右小指を絡ませる、インターロッキンググリップは、さらに、左親指と人差し指を力ませないためのグリップになります。左腕が力みがちな方は、その目的を理解した上で試してみてください。
右手は中指と薬指の2本で握る
右手も左同様。腕全体に力が入らないよう、親指と人差し指は緩め、中指と薬指でしっかりと握ります。親指と人差し指に力が入ると、ダウンスイングで右腕が力み、強く返そうとしてしまいがちになるからです。
つまり、腕が振られるためのグリップは、両手ともに親指と人差し指には力を入れてはいけません。どうしても、腕が力んでしまうという人は、このように左手の人差し指、右手の人差し指と親指、小指を完全に伸ばしてスイングしてみてください。腕が振られる状態となった真のスイングを体感できると思います。
【動画】Lesson.5 適切なグリッププレッシャーとは?
グリップは、ただゆるゆるに握ればいいというものではありません!