カン違いだらけのゴルフルール

【初夢】うそ~ん!ボールが旗にくるまった。これ、どうなる?/ルールQ&A

2025/01/02 10:50

ガードバンカーからピンを狙ったショットは、きれいな放物線を描いて旗を直撃。そのままボールは旗に包まれ、落ちてこなかった。ゴルフ漫画でこのようなシーンを見た覚えがあるかもしれないが、初夢だからいいでしょ。もし現実に起きたら、このあとの処置はどうなる?

ありそうでなさそうな初夢を見てしまった…

■1
旗の真下はホールなので、ホールイン。

■2
無罰でホールから2クラブレングス以内にボールをドロップ。

■3
無罰でホールのへりにボールをプレース。

揺らして落ちてそのままホールインしたら無罰でホールインでいいんじゃない?ダメ~?

◇◇◇◇

正解は「3」

■3
無罰でホールのへりにボールをプレース。

【解説】
皆さん、明けましておめでとうございます。今回は「初夢」の中の話ですが、いつかあるかも知れないミラクルショットのためにルールをチェックしましょう。

旗に当たって落ちたボールはあるがままで、そのままプレーです(規則13.2a(2))。そして、ボールが旗にくるまった場合は、ボールがグリーン上の動かせる障害物の中や上に止まったことになります。処置は「ボールの一部がホールに入っていないのでホールインにはならず(規則13.2c)、ボールが止まった位置の真下と思われる地点、すなわちホールのへりにボールをプレースしてプレーを続行します(規則15.2a(3))。

ボールを取り出そうと旗竿に触れたとき、ボールが落ちてホールに入った場合は、「障害物を取り除くときにボールが動いても罰なしでリプレース」となるので、やはり罰なしでホールのへりにリプレースします(規則13.2c)。アンプレヤブル(規則19.1)という選択(3つの選択肢のうちの一つ)も可能ではありますが、わざわざ1罰打を払う必要はないでしょう。(ルール解説&イラスト/小山混)

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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則13.2a 旗竿をホールに立てたままにする
(2) 球がホールに残してある旗竿に当たっても罰はない。プレーヤーが旗竿をホールに残したままストロークを行い、その後でその動いている球がその旗竿に当たった場合:
・罰はない(ただし、(1)に規定されている場合を除く)。
・球はあるがままにプレーしなければならない。

規則13.2c ホールの中の旗竿に寄りかかって止まっている球
球の一部がホールの中でパッティンググリーン面より下にない場合:
・球はホールに入っておらず、あるがままにプレーしなければならない。
・旗竿を取り除いたときに球が動いても罰はなく(その球がホールに落ちたか、ホールから離れて動いたかにかかわらず)、その球をホールのへりにリプレースしなければならない(規則14.2参照)。

規則15.2a 動かせる障害物からの救済
(3) パッティンググリーン上で、球が動かせる障害物の中や上にある場合の救済。プレーヤーは次の罰なしの救済を受けることができる:
・球を拾い上げて、その動かせる障害物を取り除く。
・規則14.2b(2)と規則14.2eに基づく球をリプレースする手続きにより、その球がその動かせる障害物の中や上に止まっていた場所の真下と推定する箇所に、元の球か別の球をプレースする。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

■ 小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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