プレー前に池の水でクラブを洗ったら…どうなる?/ルールQ&A
赤杭のペナルティエリアにボールが入ったが、ライがよさそうなので、救済を受けずそのまま打つことに。プレー前に泥で汚れたクラブを池の水で洗ったところ、同組プレーヤーから「そりゃダメでしょ」とクレーム。こんなケースのルーリングは?
ペナルティエリアのルーリング
■1
ボールがペナルティエリアにあるとき、池の水に触れても問題なく、罰はない。
■2
ボールがペナルティエリアにあるとき、池の水に触れると1罰打。
■3
ボールがペナルティエリアにあるとき、池の水に触れると2罰打。
確かルール改正で良くなったんじゃない? でも、自信がない…。
◇◇◇◇
正解は「1」
■1
ボールがペナルティエリアにあるとき、池の水に触れても問題なく、罰はない。
【解説】
かつてのウォーターハザード(現在のペナルティエリア)の時代は、枯れ葉の取り除きはもちろんクラブが地面に触れても水面に触れても、厳しい罰打が科せられましたが、2019年のルール改正でそれらのすべてが無罰になりました。
ボールがペナルティエリアにあるとき、「そのままプレー」を選択した場合、罰なしで、ジェネラルエリアと同様にプレーできます(規則17.1b)。すなわち木の葉などのルースインペディメントを取り除いたり、地面にソールすることができます(規則8.1b)。池や川の水に手やクラブで触れても問題ありません。なので、プレーの前後にかかわらず、池の水でクラブを洗っても罰はありません(規則17)。(ルール解説&イラスト/小山混)
ーーーーーーーー
<ゴルフ規則>(抜粋)
規則8 コースはあるがままにプレー
規則8.1b 認められる行動。ストロークの準備をしているときや、ストロークを行っているときに、プレーヤーは次の行動をとることができる。そして、その結果として、たとえそのストロークに影響を及ぼす状態を改善したとしても罰はない:
(4) 球の直前、または直後にクラブを軽く地面に置く。
「クラブを軽く地面に置く」とは、そのクラブの重さが地面や地面の上にある芝草、土壌、砂、あるいは他の物質によって支えられても良いことを意味する。
しかし次のことは認められない:
・クラブを地面に押し付ける。
規則15.1b ルースインペディメントを取り除いているときに球が動く。プレーヤーがルースインペディメントを取り除いたことが自分の球を動かす原因となった場合:
・その球を元の箇所にリプレースしなければならない(分からない場合は推定しなければならない)(規則14.2参照)。そのプレーヤー は規則9.4bに基づいて1罰打を受ける。
規則17.1b プレーヤーはペナルティーエリアから球をあるがままにプレーするか、または罰ありの救済を受けることができる プレーヤーは次のいずれかをすることができる:
・ジェネラルエリアにある球に適用する同じ規則に基づいて罰なしに球をあるがままにプレーする(つまりペナルティエリアから球をどのようにプレーで きるかを制限する特定の規則はない)。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

小山混 プロフィール
イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。