カン違いだらけのゴルフルール

赤杭を抜いたらボールが動いた。次の処置の正解は?/ルールQ&A

2025/12/15 10:45

ボールはグリーンをオーバー。転がり落ちて、ペナルティエリアを示す赤杭にぶつかって止まった。運良く池ポチャは免れたが、赤杭が邪魔で打てない。杭を抜いたところ、ボールが転がった。どうなる?

赤杭にまつわる問題

■1
赤杭を抜いて動いたボールは無罰でリプレース。プレー後は赤杭を元に戻す。

■2
赤杭は抜けない。抜くと1罰打。動かしたボールは無罰でリプレース。プレー後は赤杭を元に戻す。

■3
赤杭は抜けない。抜くと1罰打。動かしたボールは1罰打でリプレースで、合計2罰打。プレー後は赤杭を元に戻す。

赤杭はそもそも抜いていいのかどうか自信がないな…。

◇◇◇◇

正解は「1」

ペナルティエリア(池や川、雑木林、砂漠や溶岩地)を示す赤や黄色の杭は動かせる障害物。プレーの障害になり、なおかつ杭が容易に抜ける場合は、抜いてプレーすることができます。

また、杭を抜く際にボールが動いても罰はなく、ボールは元の地点にリプレースしてプレーします(規則15.2a)。拾い上げたボールは拭くことができます。プレー終了後は杭を元あった状態に戻します。

一方、同じような杭ですが、白杭はOBとコースの境界を示す「境界物」なので救済はなく、抜いてプレーすると「意図するスタンス区域やライの改善」違反で2罰打を受けます。ただしうっかり抜いたり動かした場合でもプレー前に元の状態に戻せば罰は免除されます(規則8.1c(1))。白杭はノータッチで行きましょう。(イラスト&ルール解説/小山混)

<定義>(抜粋)
不可分な物と境界物を除くすべての人工物。
障害物は動かせる障害物か、動かせない障害物のいずれかとなる。動かせない障害物の一部(例えば、門、ドア、取り付けられたケーブルの一部)が動かせる障害物の定義に合致する場合、その部分は動かせる障害物として扱われる。
動かせない障害物の例:
・人工の表面を持つ道路(これらの人工的な縁石を含む)。
・建物、避難小屋。
・スプリンクラーヘッド、排水口。
動かせる障害物の例:
・杭(黄杭、赤杭、青杭、ヤーデージ杭/著者註)、壁、レーリング、フェンス)。
・ゴルフカート、芝刈り機、車、他の車両。
・プレーヤーの用具、旗竿、レーキ。

<ゴルフ規則>(抜粋)
規則15.2aー動かせる障害物からの救済

(1) 動かせる障害物の取り除き。罰なしに、プレーヤーはコース上やコース外のどこででも動かせる障害物を取り除くことができ、その方法は問わない。
しかし、次の2つの例外がある:
例外1-球をティイングエリアからプレーするときにティマーカーを動かしてはならない(規則6.2b(4)と8.1a(1)参照)。
例外2-動いている球に影響を及ぼす動かせる障害物を故意に取り除くことに関する制限(規則11.3参照)。

プレーヤーの球が動かせる障害物を取り除いている間に動いた場合:
・罰はない。
・その球を元の箇所(分からない場合は推定しなければならない)(規則14.2参照)にリプレースしなければならない。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

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