カン違いだらけのゴルフルール

ボールが虫に当たって入った!これはアリ?ナシ?/ルールQ&A

2025/12/29 10:45

グリーン上でパットしたボールが、何かに当たって方向を変えてそのまま入った。近寄って見ると小さなカメムシがいて、明らかにボールに当たったと思われる。このケースのルーリングは?

ボールが虫に当たった際の処置

■1
グリーン上でパットしたボールが虫に当たっても、罰なしでそのままプレー。

■2
グリーン上でパットしたボールが虫に当たると、罰なしで再プレー。

■3
グリーン上でパットしたボールが虫に当たると、1罰打でそのままプレー。

ほんのちょっと当たっただけだからいいんじゃない?ダメ?

◇◇◇◇

正解は「1」

■1
グリーン上でパットしたボールが虫に当たっても、罰なしでそのままプレー。

2019年のルール改正では、グリーン上でパットしたボールが、グリーン上の「動かせる障害物(旗竿、止まっているボール、置かれたクラブやペットボトルなど)、人や動物、虫、動いている別のボール」に偶然当たった場合は、そのストロークは取り消しとなり、(罰なしで)ボールは元の位置にリプレースして「再プレー」しなければなりませんでした。再プレーしないと一般の罰(2罰打)が科せられました。

それが2023年1月、「動いているボールが偶然に人や外的影響に当たる」規則11.1bの一部が修正され、グリーン上でプレーされたボールが「そのプレーヤー、そのストロークを行うために使用されたクラブ、ボールマーカー、昆虫」に当たった場合、そのストロークはカウントし、ボールは(再プレーせず)「罰なしでそのままプレー」に変わりました。(規則11.1b(2))。ですから今回の場合は、カップインが認められることになります。

ちょっとややこしく面倒ですが、「虫はそのままプレー」と個別アイテムで覚えましょう。(イラスト&ルール解説/小山混)

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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則11.1bー球をプレーしなければならない場所。
規則11.1b(2) 球がパッティンググリーンからプレーされた場合。
パッティンググリーンからプレーされて動いているプレーヤーの球が偶然にそのプレーヤーまたは外的影響に当たった場合、その球は通常はあるがままにプレーしなければならない。しかし、動いているその球がパッティンググリーンの次のどれかに当たったことが分かっているか、事実上確実な場合、プレーヤーは元の球か別の球をストロークを行った場所からプレーすることによって、そのストロークを再プレーしなければならない(規則14.6参照)。
・次の人以外の人:
≫ そのプレーヤー。
≫ 旗竿に付き添っている人(これはこの規則ではなく、規則13.2b(2)で扱う)。
・次の物以外の動かせる障害物:
≫ そのストロークを行うために使用しているクラブ。
≫ ボールマーカー。
≫ 止まっている球(ストロークプレーで罰を適用するかどうかについては規則11.1a参照)。
≫ 旗竿(この規則ではなく、規則13.2b(2)で扱う)。
・ルースインペディメントとして定義されている物(昆虫など)以外の動物。

プレーヤーがそのストロークを再プレーしたが、誤所からプレーした場合、 そのプレーヤーは規則14.7に基づいて一般の罰を受ける。 プレーヤーがそのストロークを再プレーしなかった場合、そのプレーヤーは 一般の罰を受け、そのストロークをカウントするが、そのプレーヤーは誤所からプレーしたことにはならない。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より
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■ 小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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