カン違いだらけのゴルフルール

OBのフェンスが邪魔なので救済を受けてドロップ…はアリ?/ルールQ&A

2026/07/06 10:45

スタンスを取ろうとするとOBのフェンスにお尻が当たり、テークバックもできない。フェンスは「動かせない障害物」なので、救済を受けることにした。ボールを拾い上げてクラブが振れる地点にニアレストポイントを決め、1クラブレングス以内にドロップしてプレー。問題ありますか?

OB杭沿いにあるフェンスに関わる問題

■1
OBの白杭に救済はないが、OBフェンスは「動かせない障害物」で罰なしで救済される。プレーヤーの処置は正しい。

■2
OBの白杭とOBフェンスに救済はない。勝手にボールを拾い上げドロップしてプレーすると2罰打。

■3
OBの白杭とOBフェンスは「動かせない障害物」で両方とも罰なしで救済される。ボールから1クラブ以内にドロップできる。

フェンスって「動かせない障害物」だよね?救済でいいんじゃないの?ダメ?

◇◇◇◇

正解は「2」

■2
OBの白杭とOBフェンスに救済はない。勝手にボールを拾い上げドロップしてプレーすると2罰打。

フェンスは通常は障害物ですが、アウトオブバウンズ=OBの白杭の外側に隣接するOBフェンスは障害物ではなく、白杭と同じコースの境界を決める「境界物」なので救済はありません。OBの境界は上下に及ぶので、ボールがセーフで、フェンスがプレーの障害になるからといって救済を受けることはできません。

設問の場合、プレーヤーはあるがままでプレーするか、1罰打を科しアンプレヤブルの処置(3つの選択肢から1つを選ぶ)をとるしか方法はありませんでした。(勝手にボールを拾い上げリプレースしないで)適当にドロップしてプレーしたので2罰打を受けますが、プレーは続行できます(規則9.4)。

このケースでは、プレーヤーは2罰打でしたが、本来ならば勝手にボールを動かしたことで1罰打を受け、元の地点にリプレースせずに別の地点からプレーしたので、誤所からのプレーで一般の罰(2罰打)が科せられます。ですが、1回の違反における「罰の重複の免除」でボールを動かした罰はカウントされず、2罰打となります(規則1.3c(4))。(ルール解説&イラスト/小山混)

ーーーーーーーー
<定義/境界物>
アウトオブバウンズを定める、または示している人工物(例えば、壁、フェンス、杭、レーリング)で罰なしの救済は認められない。
境界物には境界フェンスの基礎や柱を含む。しかし、次のものは含まない:
・壁やフェンスに取り付けられた支柱や支線。
・壁やフェンスを乗り越えるために使用する階段、橋、類似の建造物。
境界物はその全体または一部を動かすことができたとしても、動かせないものとして扱われる(規則8.1a参照)。
境界物は障害物でも、不可分な物でもない。

<ゴルフ規則>(抜粋)
規則14 規則の目的:
規則14はプレーヤーがいつ、どのようにして止まっている球の箇所をマークし、その球を拾い上げ、ふくことができるのか、そして球を正しい場所からプレーするために、どのような方法で球をインプレーに戻すのかを扱っている。
・拾い上げた球や動かした球をリプレースすることになる場合、同じ球を元の箇所に置かなければならない。
・罰なしの救済、または罰ありの救済を受ける場合、取り替えた球または元の球は特定の救済エリアにドロップしなければならない。
これらの処置を使用した際の誤りは球をプレーする前であれば罰なしに訂正することができるが、プレーヤーが誤所からその球をプレーした場合、そのプレーヤーは罰を受ける。
規則14.1b 球を拾い上げることができる人
規則に基づいてプレーヤーの球を拾い上げることができる人:・プレーヤー。・プレーヤーが承認した人。

規則9.1 球はあるがままにプレーする
規則9.1a 球が止まった所からプレーする
コース上に止まっているプレーヤーの球はあるがままにプレーしなければならない。ただし、規則がプレーヤーに次のことを要求している、または認めている場合を除く:
・そのコース上の別の場所から球をプレーすること。
・球を拾い上げ、その後でその球を元の箇所にリプレースすること。
規則9.1に違反して誤所から球をプレーしたことに対する罰:規則14.7aに基づく一般の罰。

規則9.4 プレーヤーが拾い上げた、または動かした球
この規則はプレーヤー(そのプレーヤーのキャディを含む)が止まっている自分の球を拾い上げたり、プレーヤーまたはそのキャディの行動が自分の球を動かす原因となったことが「分かっている、または事実上確実」な場合にだけ適用する。
規則9.4a 拾い上げた、または動かした球をリプレースしなければならない場合
プレーヤーが止まっている自分の球を拾い上げたり、その球が動く原因となった場合、その球は元の箇所(分からない場合は推定しなければならない)にリプレースしなければならない(規則14.2参照)。ただし、次の場合を除く:
・プレーヤーが救済を受けるために規則に基づいて球を拾い上げた場合、または違う箇所にその球をリプレースするために、その球を拾い上げた場合(規則14.2dと規則14.2e参照)。
プレーヤーが止まっている自分の球を拾い上げたり、故意に触れたり、動かす原因となった場合、そのプレーヤーは1罰打 を受ける。

規則1.3c(4) 複数の規則違反に対する罰の適用
・介在する出来事の間の複数の違反に対して適用される1つの罰:プレーヤーが介在する出来事の間に複数の規則に違反した、または同じ規則に複数回違反した場合、そのプレーヤーは1つの罰だけを受ける。違反した規則が異なる罰である場合、プレーヤーは重い方の罰だけを受ける。
・介在する出来事の前や後の違反に対して適用される複数の罰:プレーヤーが規則に違反した後、介在する出来事を挟んで、同じ規則、または別の規則に違反した場合、プレーヤーは複数の罰を受ける。
例外-動かされた球をリプレースしなかった:
プレーヤーが規則9.4に基づいて動かされた球をリプレースすることを要求されているのに、リプレースせずに誤所からプレーした場合、そのプレーヤーは規則14.7aに基づく一般の罰だけを受ける。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

■ 小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

ルールQ&Aの記事 記事一覧