トップで折れる左手首のクセを一発で解決
初級者はもちろん、中級者でもトップで左手首が甲側に折れるクセを時折見かけます。このクセがあると、フェースが大きく開いたり、シャフトクロスしたりと、レベルアップを阻む要因となります。トップで左手首が折れないように意識するのは、なかなか困難です。なぜなら折れてしまう原因は、実はアドレス時のグリップに潜んでいるからです。
今回の受講者は…
「ゴルフ歴が長くてもなかなか上達せず、永遠の初心者だと思っていましたが、最近は100切りが間近に迫ってきて、ゴルフ熱が猛烈に高まっています。悩みはドライバーがしっかりと当たらず、飛距離が出ないこと。ダフるミスも多いので、フェアウェイウッドは、ずっと封印しています。今すぐに自分が取り組むべき、目の前の課題を知りたいです」(糸井さん、ゴルフ歴10年、ベストスコア104)
ドライバーのインパクトの瞬間のヘッド挙動を見ると、インサイドアウト軌道のダウンブローで、フェース角は15度以上開いて当たっています。目標としては、アッパーブローでボールを捉えることと、フェースの開きを抑えることですが、いま最優先で直すべきポイントがどこにあるのかを、モーションキャプチャーで探ってみましょう。
モーションキャプチャーで女子プロと体の各部の動きを比較してみましょう。胸や腰の回転を示すグラフは、プロと同じような形をたどっているので、体の使い方は非常に良いです。ただし、プロと大きく違うのは、左手首のヒンジ角(手首が手のひらや甲側に折れる角度)のグラフです。糸井さんの場合、トップで左手首のヒンジ角が、急に甲側(グラフではマイナス側)へ折れてしまっています。これがいま、糸井さんが真っ先に直すべき最優先課題です。
さらにもう一つ加えるなら、アドレス時の体重配分です。左右5:5が理想ですが、左足に8割くらい体重が乗っています。特にドライバーは、ボールが左足寄りになるので、左足体重になりがちです。この体重配分だと、平地でも左足下がりのライからスイングするのと同じ形になるためダウンブローになってしまい、地面に対して急角度でヘッドが下りてきてダフりやすくなります。