ボディターンだけでは球がつかまらなくなる事実
ボディターンスイングに取り組んでいる方は多いと思います。シャットフェースをキープしながら、腰の回転を積極的に使ってボールをつかまえるシンプルなスイングであり、慣性モーメントの高い現代のクラブに合っているからです。しかし、しっかりとボディターンができてくるほど、逆にボールがつかまらなくなるとお悩みの方も多いはず。実は、ボディターンだけでは少し不十分なのです。
今回の受講者は…
「ドライバーで右にプッシュアウトしたり、パー5の絶好のセカンドショットで右OBになったり、アイアンが突然シャンクしたりするといった、ガッカリな場面が多くて悩んでいます。ボディターンスイングを目指していて、外からクラブが下りないように気をつけているのですが、ミスの原因が分かりません」(岡崎さん、ゴルフ歴3年、ベストスコア79)
ゴルフ歴3年ということですが、ヘッド挙動解析、シャフト挙動解析、モーションキャプチャーを使った動作解析で、総合的に優れた結果が見られます。野球や剣道などを経験されていたこともあって、運動能力の高さやセンスの良さがうかがえます。ベスト79なので上級者のレベルですが、今回の問題点は、ボディターンを目指す初級・中級者にも、ぜひ参考にして欲しい好例だと言えます。
まず、気になった点は、ヘッド挙動解析でのインパクト時のライ角の悪さです。ドライバーがボールに当たる瞬間のヘッド軌道はインサイドアウト&アッパーで問題ありませんが、ライ角はヒール側が浮いて、トウが下がる形で当たっています。ヒールが浮くとフェースは右を向くので、球がつかまりにくくなります。ヒールが浮くとは、つまり手元が浮いてしまっていることを示しています。
モーションキャプチャーで、より深く探ってみましょう。腰や胸の動きはプロと同じグラフの形になっていますが、明らかに違うのは、左手首のヒンジ角度(手のひらや甲側に折れる角度)と左腕の回旋です。プロは、ハーフダウンからインパクトにかけて、ヒンジ角度と左腕の回旋がアドレス時の状態に戻ります。ところが、岡崎さんの場合は、ヒンジ角度が手のひら側に折れたままで、なおかつ左腕が外旋せず、アドレスの状態に戻っていないのです。分かりやすく説明しましょう。