<前編>「ちょっとゴメンナサイ…」臼井麗香、原英莉花らドン引き “残念オジファッション”の特徴は
普通オジがプロの手で大変身!?「今どきオシャレはこうでねぇと」/Road to イケオジ(後編)
2024/10/21
前編でオジたちの“残念コーデ”が判明したところで、後編は具体的なオジゴルファーのファッション改造に着手する。凝り固まった洋服選びのセンスを変えるのは、スイングを変えるのと同じぐらい難しそうだが果たして…。その難作業に取り組んでくれるのは、DESCENTE GOLF COMPLEX TENJIN(デサントゴルフコンプレックス天神/デサントが手掛ける4ブランドが入る複合業態:銀座に続く2号店)のスタッフたち。ファッションのスペシャリストにスタイリングしてもらうと、普通オジもイケオジに変身できるのか? 世の中のオジゴルファーの期待を一身に受け、取材陣は福岡へ飛んだ。(全2回/後編)
オシャレな洋服を前に浮足立つオジさんたち
ことし9月20日オープンの店舗はまさに天神のど真ん中にあり、周囲にはウェアブランドのお店が乱立。店内に入ると見るからにオシャレなウェアがズラリと並んでいた。ショーウィンドーにフィニッシュをとっているマネキンがいなければ、まさかゴルフウェアのショップには見えない。店長の菅原健太さんによれば、「普通のアパレルショップと間違って入ってくる人もいます」とのこと。確かに街でも着られそうなアイテムも多く、ノンゴルファーでも買って帰る人がいるそうだ。
そんな話を聞いていると、今回のモデル(!?)である普通のおじさん代表、怡土貴之(いとたかゆき)さんとGDO社員の岡部康一(おかべこういち)がノコノコと現れた。テレビ局の営業担当部長である怡土さんはスーツ姿、練習場営業の岡部は営業帰りでフォーマルないで立ち。2人はゴルフ仲間、そして申し訳ないけど“フツーのおじさん”。街を歩いていても誰も振り返らないし、若者の多い天神ではまあまあ浮いていた(失礼!)。企画の全貌を詳しく聞かされていない2人は、「これいいな~。怡土ちん似合うんじゃない」などとウィンドーショッピングを楽しんでいた。オシャレな洋服を前に明らかに浮かれている様子。
菅原店長は銀座1号店のオープニングスタッフで、天神店の店長を任されたスペシャリスト。バゲットハットにパーカー、そしてダボっとしたパンツといういで立ちは、オシャレな雰囲気プンプン。「この格好でよくゴルフ行きますよ」と言うから、このスタイルでゴルフ場にいたらかなりの上級センスではないか。後ろでワキャワキャ言っている“フツーオジ”たちは、一日でこの店長レベルまでたどり着けるのか。さあ、菅原アニキ、この2人をバッサバッサとやっちゃってください。腕の見せドコロですぜ!
普通オジが緑のワントーンに変身 えっ!?あの怡土ちん?
怡土貴之 いとたかゆき
年齢/49歳
ゴルフ歴/約25年
ベストスコア/90
ゴルフ頻度/月イチ
自身のファッションテーマ/スポーティ&機能性重視
あだ名/イトちん
学生時代は陸上やテニスをやっていたという怡土さん。機能性のあるウェアが好きで、ゴルフではいつもスポーツウェアっぽいポロシャツを着ているという。「ナイキとかアディダスとかスポーツブランドの機能的なポロシャツに、よく分からないブランドのパンツを履いて、なんとなくそれっぽくしています」(怡土さん)。普段のゴルフウェアを写真で見せてもらうと、うーん、確かに可もなく不可もなく、いたってフツー。さっそく菅原店長によるヒアリングが始まる。ある程度話を聞くと、サイズを探しにバックヤードへ入っていった。
【Style1】グリーンセットアップ/緑のワントーンがハイセンス
一つ目は上下カーキ色のスタイル。なかなかワントーンでまとめるのは難しく、おじさんが着ると“戦隊モノ”になりかねないが、怡土さんの雰囲気はなんだかカッコいい。どうしてオシャレ感が出るのだろうか。「緑のワントーンがいけるのは、ミリタリー調に見えてカッコいいというのがあると思うんです。緑の中でも色が濃く、この深いグリーンは一般的にもなじみやすい」と菅原店長。
確かに落ち着いた緑の上下は、オジが着ても締まって見える。「シャツのサイズをひとつ大きくしているんですよ。(オーバーサイズの)今のトレンド感を少し入れました。もちろんここは好みで分かれると思いますが、怡土さんはゆったりしたものを普段着ているとおっしゃっていたので、大きいサイズのほうがプレーしやすいはずと思いました」。怡土さんのスタイルを見ると、上は少しゆったり、下はピッタリ目で、まさに前編で原英莉花が提案していた“オーバーサイズコーディネート”ではないか。
ちなみにこの上下は、ストレッチが効いているのはもちろん、撥水、紫外線予防の「UPF50+」が入っているなど実に機能的。怡土さんの好みにピッタリ合うコーディネートになった。
【Style2】茶色セーター×白パンツ/遊び心と大人っぽさの両立
続けて怡土さんは、2コーディネート目の茶セーターに、白パンツといういで立ちで現れた。先ほどとガラッと印象が変わり、今どきの秋っぽいさわやかなスタイルに。「茶色のワントーンもいいのですが、白いパンツと合わせると上の重たさが多少和らぎ、さわやかになる。『緑×緑』と違って『茶×茶』はちょっと印象が強い。上が茶の場合は下は白など軽い色と合わせるのがいいですね」。店長から説明を受けた怡土さんは深くうなずいた。
日焼けをしているゴルファーは肌も茶色傾向なので、軽さをどこかで出すといいそうだ。「今回選んだ茶セーターは柄も入っているので、なおさら下の無地の白とのバランスもいい」。なるほど。「遊び心」と「大人っぽさ」の程よいバランス。これをオジ一人で考えるのはなかなか難しいなぁ。洋服選び、菅原店長に毎回来てもらわないと。
ファストファッションで無難を貫くべ~やん「それ、ゴルフウェア…?」
岡部康一 おかべこういち
年齢/38歳
ゴルフ歴/約15年
ベストスコア/89
ゴルフ頻度/月1回(週1練習)
ファッションテーマ/そのまま着て帰れる
あだ名/べ~やん
さあ、続けてオジモデル2人目の岡部(通称べ~やん)が登場。彼のゴルフウェアのテーマは「そのまま着て行けてそのまま帰れる」という合理主義。途中サービスエリアに寄ったり、コンビニに寄ったりしてもいいように「ファストファッション系で無難な色でまとめます」と言い、普段のウェアを見せてくれた。確かにゴルフウェアというよりは、仕事スタイル…。べ~やん、今着ている仕事のスタイルと普段のゴルフウェア、全く一緒じゃない?
会話を聞いている横で、菅原店長はキビキビとべ~やんに合いそうなスタイルをピックアップしていた。いったいどんなアイテムが出てくるのか?
【Style1】グレーのワントーン/ オーセンティックで生まれ変わるべ~やん
フィッティングルームから出てきたいで立ちに、若い女性店員から「カッコいいですね~」という声。べ~やんは照れながらも、「グレーのワントーンって普段僕も着ますが、どうしてもおじさんっぽくなっちゃうんですよね。これ、何でならないの?」と首を傾げる。
「こちらはオーセンティック(正統派)とテクノロジーを調和したライン。岡部さんには大人らしさを演出しました。『大人らしさ』と『おじさんっぽい』はけっこう紙一重で、シルエットや丈感、素材などで変わってきます。岡部さんはスタイルもいいので上下セットアップが似合いますね」と菅原店長。「そのまま着て帰りたい」というべ~やんの希望も、これならバッチリではないか。
デサントのウェアは店内を見渡しても色味は落ち着いていて、色使いもシンプル。「色は2色、多くても3色に抑えたほうがおじさんはいいと思います。今の岡部さんのスタイルにキャップを入れるなら、白などあまり派手じゃない色にしたほうがいいですね」とアドバイス。
【Style2】DSGライン/ストリート感たっぷり そのまま天神を歩けそう
続けて試着室から出てきたべ~やんは、パーカーにゆったりパンツというラフないで立ち。あれ? これ店長と同じスタイル? 「そうですね。そのまま帰る派の岡部さんが、どこかに飲みに行ったり、遊びに行ったりというイメージを抱きながら選びました。カジュアルなシーンでも使っていただける、ラフなパーカーがいいかなと」
店長のもう一つのこだわりはパンツ。パーカーにあえてゆったりとしたパンツを合わせて、ラフ×ラフなスタイルでこなれ感を演出した。「ボクも同じのをチョイスしていますが、ボクの場合はあえてワンサイズ上にしてストリート感を出しています。TPO(時間・場所・場合)によるとは思いますが、サイズ感で遊ぶのもアリかなと」。機能性のあるデサントのウェアらしく、パンツはひざのところで切り離しができて短パンにもなるという。「この遊び感がいいですよね。まだまだ暑い時期も多いし、こういうパンツは意外とうれしいです」とべ~やん。
「いつも着ているユニ●ロさんのウェアもいいのですが、これはさらにゴルフ場でも街中でもオシャレに見える。こういうコーデありなんだなってすごく新鮮でした」。再び女性店員に「ステキですね~」と言われてもうデレデレのべ~やん。このおじさま、お買い上げ決定です!
【まとめ】共通するキーワードは「清潔感」
「Road to イケオジ企画」いかがだっただろうか。結論としては、やはり最先端ファッションならば、フツーオジでもオシャレ感を演出できるということ。「どうせ俺なんて」と自ら無難な服にしてしまうと、よりオジ化してイケてない感が増してしまうということだ。
最後に菅原店長からアドバイスを頂いた。「よっぽど筋肉ムキムキな方以外は、ジャストサイズかちょっとゆとりをもたせるぐらいが上品だと思います。その際、下のシルエットが大事。パンツの丈は結構スッキリさせたほうが大人っぽくキレイに見えると思います。裾を長めにとる方が非常に多いんですが、下のほうがもたついて、くしゃくしゃって見えてしまう。ワンクッション、ハーフクッションぐらいが大人っぽくていいと思います」
◇◇◇
「いまどきのコーディネートは“こうでねぇと”」と言いながら、楽しそうにお店を出ていった2人。このまま中州へ繰り出すのかどうなのか。怡土ちん、べ~やん、そんなダジャレを言っている暇があったら、オシャレなファッションをSNSでも見てもっと研究しようじゃないか。(取材・構成/服部謙二郎)
協力/DESCENTE GOLF COMPLEX TENJIN(デサントゴルフコンプレックス天神)
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