バンカーで何打損していますか?
「出すだけでイイ」では、平均80台は難しい!
「バンカーで何打損している?」 ――このように質問され、すぐに答えられるアベレージゴルファーは少ない。それは18ホール中何度かミスは出るが、脱出するだけなら別段出せないことはないと考えているからだ。「80台以上のゴルファーは、ただ出すだけではなく、ある程度球の高さや距離感をコントロールしています」と語るのはショートゲームを知り尽くした平野茂プロだ。
なぜ、フェースを開くのか?
では、ある程度球の高さや距離感をコントロールするにはどうしたらよいのか? それに長けているウェッジは、中上級者向けの比較的シャープ形状のモデルだろう。平野プロ曰く「ソール幅が広い“お助けウェッジ”と違い、これらのウェッジは自分のイメージした高さや距離感を出すのに長けています。これらのモデルを扱うには、フェースを開いて使うべきでしょう」とのこと。
4割以上が『開かない』?
『フェースを開く』と聞いて、眉をひそめる平均90台ゴルファーは多いだろう。フェースを開くべきかどうかで悩んでいたり、一度開く打ち方を試したが元に戻したりなど、“どちらつかず”の状態に陥ってはいないだろうか。それは左画像(※アンケート参照)の数字からも見て取れる。
『開く』理由は「バウンスを使うため」!
「バンカーでは、クラブヘッドがボールに当たるより先に、ソール部を砂に当ててバウンスを使います。それがフェースを開く理由です。フェースを開くとリーディングエッジ(刃)より先にバウンスが着地し、バウンスを使うことで砂に潜らず滑り続けることができます」。フェースを開いて、バウンスをボールの手前の砂に当てる。まずはその基本を理解しよう。
正しく『開く』には、「ハンドダウン」が必須!
多くのアベレージゴルファーが、『フェースを開く』という動作を誤解していると平野プロは言う。「フェースはクラブを右に回して開き、その状態でグリップします。しかし、そのままではフェースが右を向いているので、ボールも右に飛び出しやすくなります。そこで、バンカーではハンドダウンに構えることで、フェースのトゥ側が少し浮き、フェース自体がやや左を向くので目標方向にボールを飛ばすことができるのです」。
「3本ライン」をイメージ!
『フェースを開いて打つ』正しいバンカーショットを成功させるには、セットアップが重要と平野プロ。それには3つのラインを設定することという。「まずは実際に飛び出す目標ラインを設定します。そのラインの左方向にスタンスの方向となるラインを設定(ライン1)。そしてそのラインで左を向いた角度だけ、目標ラインの右にも設定。これは開いたフェース面の向きを示すラインとなります(ライン2)。まずはこの3本の仮想ラインをイメージしてください」。
もう「ボール位置」に迷わない!
「3本ラインのイメージができたら、次にライン1の方向へ実際にフルショットを打つつもりで構えます。スタンスとフェースの向きをライン1に合わせるのです。バンカーショットでは毎回ボールを右足寄りか左足寄りかで悩まれる方が多いのですが、ライン1へ通常ショットを打つ感覚(ほぼ真ん中)にボールを置くだけ、と考えればシンプルに設定しやすくなります。
フェースの「トゥ側」で打つ感覚!
それから、フェースの方向だけをライン2を向くように開きます。フェースを開いた時に、ヒール寄りで構えるとシャンクしやすくなるので、ヘッド1個分後ろに下がって構えます。トゥ側のスコアラインがない部分で打つイメージでOKです。
あとは「ライン1」へ振るだけ!
3本のラインをイメージしてセットアップができたら、ライン1の方向にクラブを振ります。そうすることで、ライン2に向けたフェース面と相殺され、ボールは目標方向に飛ぶようになるのです」(平野プロ)。セットアップが正しくできれば、あとはいつもと同じように振るだけ。無理にアウトサイド・インに振る必要はないようだ。
バンカーショットの基礎 記事一覧
- 2015-11-20バンカーで何打損していますか?
- 2009-06-03バンカーから出ない場合の応急処置