「飛び系アイアンを飛距離で選ぶ」の罠
「アゲンスト対策で右足寄りにボールを置く」の罠
2020/08/18
スイングやクラブ選択において、正しいことをしているはずなのに何故か進歩しない。そんなアマチュアゴルファーは、上達を妨げる「レッスンの罠」にハマっているのかもしれません。レッスンスクール「ゴルフテック」の中村晃文コーチが主な例を挙げながら、テーマごとに解説します。
「バックスピン量が増えて吹き上がりやすくなる」
アゲンストの風に対するアイアンショットにおいて、ボールを右足寄りに置いてロフト角を立たせ、強振しているゴルファーをよく見かけます。風に負けない、低くて強いボールを打ちたい意図は分かりますが、コレはよくある勘違い。ボールは低く出せるものの、クラブヘッドが鋭角に速く入ることでバックスピン量が増えて吹き上がりやすくなり、距離が落ちる可能性が高まります。
そこでお勧めしたいのは、ボールは通常の位置(右足寄りにしない)のまま、クラブの番手を上げることでロフト角を立て、ヘッドスピード(以下HS)を落とす打ち方です。長さがあるクラブほど入射角が緩やかになることでバックスピン量を抑えられ、HSを落とすことで番手を上げたぶんの距離調整を行います。
では、実際にロフト角46度と52度のクラブを使って弾道データを比較してみましょう。アゲンストの風を想定し、52度では右足寄りに置いてフルスイング。46度では、通常のボール位置からHSを落として打ってみます。どちらも総距離はほぼ同じ(約95yd)ですが、52度はバックスピン量が約3000回転も多いですね(46度=5671rpm、52度=8335rpm)。ともに、ほぼ同じ打ち出し角とボールスピードながら、52度のほうは吹き上がって飛距離ロスしやすいデータを示しました。アゲンストの風が吹く日のラウンドで、ぜひ参考にしてみてください。
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