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ダンロップ特集
2022/12/26

新ドライバーでも松山英樹の信頼を得たツアーレップの次なる願い

連載:勝利へと導くギア開発に懸ける情熱
ダンロップツアーレップ 宮野氏インタビュー2 オーガスタでの歓喜に酔いしれる中でも、ニューモデルの開発はすでに始まっていた(撮影:落合隆仁)
オーガスタでの歓喜に酔いしれる中でも、ニューモデルの開発はすでに始まっていた(撮影:落合隆仁)

オーガスタの歓喜に酔いしれた2021年春、「マスターズ」を制したダンロップ『スリクソン ZX5 ドライバー』は市場でたちまち人気を博した。

しかし松山英樹の戦いの終わりがそこでないように、住友ゴム工業(ダンロップ)の製品開発に燦然(さんぜん)とピリオドが打たれたわけではなかった。むしろ、それも通過点だったと言える。グリーンジャケットに日本人が初めて袖を通したあの日、時を同じくして、すでにニューモデルの開発は始まっていた。

『スリクソン』史上最速モデル

ダンロップツアーレップ 宮野氏インタビュー2 ツアー開幕戦から「ZX5 Mk II LS ドライバー」を使用。その選択には松山の変化も見て取れた(撮影:落合隆仁)
ツアー開幕戦から「ZX5 Mk II LS ドライバー」を使用。その選択には松山の変化も見て取れた(撮影:落合隆仁)

2年半前に外資系クラブメーカーから同社に移ったツアーレップの宮野敏一(敬称略、以下同)は、PGAツアーの契約プロに寄り添い、クラブやボールを提供している。「彼のパフォーマンスを上げるのが私たちの責任。選手はより優れたクラブを使用し、私たちはそんな製品を提供できればいい」。現在、松山からの信頼は揺るがず、“初代ZX”以降は試合で『スリクソン』ブランドのドライバーを使い続けている。

2022年9月、松山は新シーズンの開幕戦である「フォーティネット選手権」を、その1カ月後にリリースされる『スリクソン ZX Mk II』シリーズのプロトタイプモデルで戦った。ドライバーは『ZX5 Mk II』と『ZX7 Mk II』、ロースピン(LS)タイプとなる『ZX5 Mk II LS』の3機種がラインアップ。フルチタン構造を採用し、インパクト時に大きなたわみを生み出す「REBOUND FRAME Mk II(リバウンド フレーム マーク2)」で反発性を向上させ、ブランド史上最速のボールスピードを生むという。

どのモデルも自信を持って提供した宮野ではあったが、松山は「ZX5 Mk II LS ドライバー」をチョイスした。この選択に「彼の中ですごく大きなチェンジ」と驚きもあったという。そもそもLSモデルは、海外選手のフィードバックをもとに急きょ開発されたもので「PGAツアーの選手も今や、とにかく(弾道計測器による)数字を重視する」とのこと。より速く、より遠くへ。その要望に応えたタイプだ。

LSモデルは“スタンダードモデル”よりも重心が浅くて低いことから、ボールに爆発的なスピードを持たせる。一方で「一般的にはショットが曲がる可能性は高くなる」リスクがある上で選択に至ったのは、松山自身の近年のスイング改造による良い影響、そしてクラブへの感触の良さがあったと言える。

オールチタン採用で試打データが向上

ダンロップツアーレップ 宮野氏インタビュー2 カーボン素材全盛の中でオールチタン構造が選ばれたがプロからは好印象だったという(撮影:落合隆仁)
カーボン素材全盛の中でオールチタン構造が選ばれたがプロからは好印象だったという(撮影:落合隆仁)

ヘッドに複合素材を用いることが珍しくない昨今、「ZX Mk II」シリーズのドライバーは“オールチタン”を採用し、ある意味でトレンドに反する。宮野は「個人的にはあまり乗り気ではなかった」と笑う。「でも、松山プロからも言われていたことでもありました。『カーボンって本当に良いのだろうか。(使用)素材はなるべく少ない方が良いのではないか』と。そして何より、開発チームがチタンの進化にすごく自信を持っていました」

テストでは、試作した複合ヘッド以上にオールチタンが優勢。「最近のゴルファーはカーボンの音に慣れていることもあり、ちょっと不安はあったのですが、他のプロからもネガティブな意見はありませんでした」と好印象だったそうだ。

ZX5 Mk II LS ドライバー』を握った開幕戦で、松山のボール初速は前作から約3mph(1.3m/s)以上アップし、180mph(80.5m/s)に到達しようとしていた。また、彼が求めるシャープな顔つきに仕上がったことで、これまで宮野がフェースに施していたペイントの作業はなくなった。

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