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2023/05/17
名匠の教えを生かすかどうかは「自分たち次第」
連載:創業者のこだわり継承とリブランド
■自らアイアンを手がけて立て直し
その後、開発者が独立していなくなり、「もともとモノづくりは好きなので、『私にやらせてください』」と、企画に手を挙げたのは池田だった。プレーヤーの経験を生かして打感や振り心地を追求。マッスルバック形状に見えるキャビティバックの軟鉄鍛造アイアン「TB-5フォージド」を考案した。
創業から守り続ける「機能美」を詰め込んだアイアンにつけたキャッチコピー、『狼の皮をかぶった羊』は池田が考えたものだ。「見た目はストイックなのに打てばやさしい」というコンセプトを表現したという。2020年に発売されると、「復活」の足掛かりとなるヒット商品となった。
■すべてのゴルファーにベストな14本を
「竹林が言っていたのは、『ゴルフメーカーがアマチュアのためにモノをつくらないと意味はないよね』ということ。うまく打てない人がうまく打てるクラブ。そこしかない。アマチュアのためにどこまでできるか」
会社名が示すように、社員の思いは「その人にあった使い勝手のいいクラブを14本選んでもらえる状態にしたい」ことで一致している。そのうえで、会社の将来を池田はこう言う。
「竹林はいまではどこのメーカーでも設計開発に使っている重心の概念をつくって、ゴルフクラブの基本をつくった。本当にすごい価値があって、これを磨いて(世の中に)出していかないといけないと思っている。生かすも殺すも自分たち次第だと思う」
池田 純(いけだ・じゅん)
1974年3月9日生まれ。神奈川県厚木市出身。15歳からゴルフを始める。きっかけは、当時流行っていた漫画『あした天気になあれ』。高校卒業後にプロを目指した。「プロテストは4回か5回ぐらい」挑戦。トップアマとして活躍し、「日本アマ」に3回出場。