フォーティーン特集PR
2022/04/07
ゴルフ界を席巻した強烈スピン 「MT-28」ウェッジが与えた衝撃
連載:語り継がれる名器の系譜 ~常識のルーツ~
ゴルフ界を揺るがした溝規制の強化
彫刻による鋭い溝でスピンをかけるという手法はその後、他社も次々に取り入れた。強烈なスピン性能がもはや当たり前になると、ゴルフのルールが変わる。ツアーでは2010年から、アマチュア競技でも2014年から、ドライバーとパターを除くクラブの溝規制が大幅に強化されたのだ。
「実際に多くのプロが使用し、それが販売促進につながったのも事実ですが、発想の原点はアマチュアでも、テクニックがなくてもスピンがかけられるウェッジです。それがプロの影響で規制されてしまう。アマチュアの楽しみを奪うようで納得いかない部分はありましたね」。ルールまで変えてしまったことはMT-28を語り継がれる名器に押し上げる一つの要素ではあるが、社内はそれを単純に誇らしいと受け止める雰囲気ではなかったという。
変わらぬ原点「アマチュアが楽しむためのクラブを」
プロが使用してツアーで勝利を重ねることは多くの名器にとっての共通点。しかし、それを生み出しているフォーティーンにはプロのためのクラブを作ろうという意識はない。「アマチュアがゴルフを楽しむためのクラブを作るというのは、今も変わらない我々の物づくりの原点。MT-28に限ったことではないんです」。
ツアーからのフィードバックとは逆の発想。アマチュアのためのクラブが結果的にプロにも評価され、後々まで名器として語り継がれる。「すべてのゴルファーに」と掲げた変わらない原点が、次の名器、新たな常識を作り出す力になる。