キャロウェイ「X FORGED」 ショットの良し悪しが手に伝わる。完成度の高い一本/谷口拓也 #深夜試打
プロや上級者から支持されてきたキャロウェイの軟鉄鍛造アイアン「X FORGED」シリーズ。今作では素材をS20CからS15Cへ変更し、よりソフトでピュアな打感を追求しながら、コンパクトなヘッド、薄いトップブレード、控えめなオフセットといったアスリート好みの要素を継承している。そんな人気の高いシリーズから、コアモデル「X FORGED アイアン」を、ツアー通算2勝の谷口拓也プロが、前作と打ち比べながら試打評価する。
「“飛ばす”より“狙う”ための正統派軟鉄鍛造アイアン」
「構えやすさが抜群。ツアーモデルだけど難しすぎない」キャロウェイゴルフ X FORGED アイアンを谷口拓也が本気で試し打ち
―率直な印象は?
「トップブレードからネックにかけてのつながりがとても自然で、適度なグースがありながらもフェースがかぶって見えない、好みの顔です。ヒールからトウにかけての高さの見え方もシャープで、構えたときにとてもスッキリした印象があります。いわゆる“逃げ顔”と呼ばれるタイプですね。アスリート向けモデルは、性能以前にまず構えたときの顔が自分に合うかどうかが重要です。その点、今作は構えた瞬間に余計な違和感がなく、自分のスイングに集中しやすいと感じました」
―打感は?
「商品説明とは少し異なり、意外にも前作のほうがやや柔らかい打感に感じました。今作は単にソフトというより、ソリッドで締まったフィーリング。インパクトでは適度なシッカリ感があり、バックフェース中央部に厚みがある分、芯でとらえたときの当たり負けもしません。また、手に伝わるフィードバックが非常に明確で、『いい当たりだった』『少し芯を外した』という違いが瞬時に分かります。打感でショットの良し悪しを判断したいゴルファーにとっては、とても扱いやすいモデルだと感じました」
―ソールの抜けは?
「ソール幅は広すぎず、リーディングエッジ側もトレーリングエッジ側もしっかり削り込まれているので、インパクト後はソールの滑りでヘッドが抜けていきます。このタイプのアイアンは、ソールが厚すぎると上級者には扱いづらく感じることがありますが、今作は接地面積が絶妙で広すぎません。芝に入る部分と抜ける部分がうまく処理されているため、ダウンブローに打ち込んでもヘッドが突っかかりにくく、抜けの良さはかなり高いと感じました」
―前作「X FORGED アイアン(2024年)」との違いは他にありますか?
「ヘッドサイズ自体が大きく変わったわけではありませんが、今作のほうがやや小ぶりでシャープに見えます。仕上げの違いもありますし、ネックからトップラインへのつながりも、よりストレートになった印象です。構えたときも、ボールを包み込みすぎず、かといって離しすぎることもありません。アスリートゴルファーがターゲットをイメージしやすい、バランスの取れた形状になっていると思います」
―飛距離性能は?
「この手のアイアンに求められる飛距離性能は、単純に飛ぶことではありません。例えば、7番アイアンで180yd打つ人が急に190yd飛んでしまったら、アイアンとしては扱いづらくなってしまいます。重要なのは、ミスヒットしても飛距離が大きく落ちないこと。そして逆に、飛びすぎるミスが出にくいこと。この2点が、『X FORGED』シリーズの優秀さを表していると思います。実際、少し芯を外しても極端に飛距離が落ちる印象はなく、つかまりすぎて急に飛んでしまうこともありません。左右の打ち分けはもちろん、高低差をつけたり球筋をコントロールしたりと、操作性の高さも魅力。スピン量まで計算しながら距離を打ち分けたいゴルファーなら、そのメリットを十分実感できると思います」
―どんなゴルファーに向いていますか?
「基本的には、ジュニアゴルファーや競技志向でプロを目指す人に適したモデルだと思います。ターゲットユーザーは明確で、やさしさを優先するよりも、自らボールをコントロールしたい人向け。ただし、ツアーモデルとしては決してシビアすぎるわけではありません。ストレートから軽いフェード、あるいはストレートから軽いドローといった球筋を安定して打ち分けたいゴルファーなら、きっとマッチしてくれるでしょう」
ツアーモデルらしい顔と打感に、扱いやすさが追加!【総合評価4.3】
【試打結果(平均)】
総距離:162.6yd
キャリー:158.3yd
HS:36.9m/s
初速:50.9m/s
スピン量:6121pm
打ち出し角:18.5度
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】3.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・番手(ロフト角):7番(33度)
・使用シャフト: Dynamic Gold MID 115(硬さS200)
・使用ボール:横須賀グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン、横須賀グリーンゴルフ
谷口拓也(たにぐち・たくや) プロフィール
1979年9月17日生まれ、徳島県出身。2003年のプロデビュー年に賞金シードを獲得。04年『アイフルカップ』で初優勝し、賞金ランク20位で最優秀新人賞を受賞。08年『サン・クロレラクラシック』で2勝目。数多くのトッププレーヤーを指導したコーチ、ピート・コーウェン氏に師事しレッスン技術を学ぶ。妻は国内女子ツアー3勝の一ノ瀬優希。