美形になった小ぶりの低スピンモデル タイトリスト TSR4 ドライバー

【ホッシー】
「TSR4 ドライバー」は、ヘッド体積430ccの小ぶりヘッドが特徴のモデルです。前作の「TSi4 ドライバー」は販売店を限定したモデルでしたが、「TSR4」は「TSR2 ドライバー」や「TSR3 ドライバー」と同じように一般流通モデルとして展開されています。

【ツルさん】
その販売意図を裏読みすると、おそらく前作の「TSi4」よりも多くのゴルファーにマッチするヘッド性能になっているのだと思います。「TSi4」はハードヒッターやショットスキルの高い人向けのモデルだったので、「TSR4」は少しやさしく打てるようになっているのかも。試打をして確かめてみましょう！

• ⇒前作「TSi4 ドライバー」の試打レポート

【ホッシー】
構えてみると、小ぶりヘッドでめちゃ男前！ 自分が打ちたい弾道を思いどおりに操れそうな美しいヘッドシェイプです。僕にはそこまでの技量はありませんが（笑）、そんなオーラが出ているヘッドです。

【ツルさん】
「TSR4」は、前作からヘッド形状がかなり変わりました。「TSR3」をひとまわり小さくしたようなヘッドシェイプになっていて、いわゆる洋ナシ形。前作はカドのない四角形っぽいゲンコツ型だったんですが、比較すると断然、新しい「TSR4」のほうがクラシックな雰囲気があって構えやすい。ゴルフ歴の長い上級者に好まれそうな顔つきです。

【ホッシー】
意外にも2球続けてナイスショットが打てました！ 打感も良くて、「バシーン」と強い弾道で飛ばせましたよ。ただし、僕にはスピン量が少なすぎますね。ロフト角10度なら打ち出し角は十分に出せるけれど、スピン量は1500～2000回転くらいでした。

【ツルさん】
常にその弾道が打てるなら問題ないけれど、ちょっと球をつかまえすぎると、すぐにドロップチーピンになるスピン量ですよね。ホッシーがそのままコースで使うとなると、かなり危険度は高いです。キャッチフレーズは“ウルトラロースピン”。基本的には、スピン量が多すぎて飛ばせていない人向けのヘッド性能なんです。僕が打ってもスピン量は増えすぎることなく2000回転ちょっと。たとえフェースが開いて右方向にペラっても3000回転までは到達しませんでした。そのくらい低スピンです。

【ホッシー】
たまたま連続してナイスショットを2球打てたのですが、ツルさんの言うとおり、やはり僕のショットスキルでは長続きしません（笑）。引っかけると、とんでもなく左に曲がっていきました。やっぱり、直進性の高いやさしいヘッドではないですね。

【ツルさん】
小ぶりで重心位置が浅いので、ヘッドが機敏に動きます。ショットの再現性が高い人ではないと、意図せずに右にも左にも曲げてしまいます。ただし、交換式ウェイトがソールの前方（11g）と最後部（3g）の2箇所になっているのも特徴。前方と後方のウェイトを入れ替えると、重心が深くなってスピン量が増えるし、ヘッド挙動の安定性も高められます。これは前作にはなかった機能です。

【ホッシー】
でも、ウェイトを入れ替えて重心を深くしてスピン量を増やすなら、そもそも「TSR4」をチョイスする意味がないのでは？

【ツルさん】
小ぶりヘッドのほうが構えやすくて振り抜きやすいという人は意外と多いし、ここまでロースピンじゃなくてもいい、という人もいます。そういう小ぶりヘッド好きには前後のウェイト調整機能が役立つんですよ。

【ホッシー】
なるほど、そういうことなんですね。

【ツルさん】
以上を踏まえると、やはり前作よりは門戸が広げられていると思います。どんなドライバーを使ってもスピン量が3000回転を上回ってしまう人、小ぶりヘッドが好きな人は試してみてもいいモデルだと思います。

■ 試打したクラブのスペック

タイトリスト TSR4 ドライバー
●番手（ロフト角）：10度 ●シャフト：Tour AD IZ-6 ●硬さ：S

■ マイクラブ情報

ホッシー：テーラーメイド SIM MAX ドライバー
●ロフト角：10.5度 ●シャフト：Tour AD PT-6 ●硬さ：S

ツルさん：キャロウェイ ローグ ST MAX ドライバー
●ロフト角：9度 ●シャフト：VENTUS TR BLUE 6 ●硬さ：S