新製品レポート

見た目がシュッとして◎ また“キャメスミ”使いそうだなぁ「ミズノプロ FLI-HI アイアン」

2023/09/04 07:00
ツアープロからの支持を集める「ミズノプロ FLI-HI アイアン」の最新作を調査

新「ミズノプロ」シリーズの「241」「243」「245」と同時発売されるアイアン型ユーティリティ「ミズノプロ FLI-HI アイアン」。ミズノは2001年に発売した初代「T-ZOID FLI-HI」以降、「MP FLI-HI」(2009年)や「ミズノプロ FLI-HI」(2020年)などと名前を変えながら、アイアン型ユーティリティを発売し続けている。ことしの「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」を制した平田憲聖も過去モデルを愛用中だ。そんな注目の最新作の性能をギアマニアのミタさんが解説。さらにマッスルバックユーザーのヨシダくん(HS50m/s)、ベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)に試打してもらった。

クラブの特徴は?

前作(写真下)よりも構えやすく、飛ばせる性能に進化しているという

【ミタさん】
今回紹介するのは、ツアープロやトップアマで愛用者の多い「ミズノプロ FLI-HI アイアン」です。

【シオさん】
2020年に発売された前作を平田憲聖キャメロン・スミスが実戦投入しているので、気になっていました。今作では何が変わったのですか?

【ミタさん】
前作の素材はフェースがマレージングステンレススチール、ボディがソフトステンレススチールでしたが、今回はフェース、ボディともにニッケル・クロムモリブデン鋼を使用しています。この素材は一般的なクロムモリブデン鋼よりも高級で高強度のため、フェースの肉厚をさらに薄くすることができます。それにより、フェースの中心部を厚く、周辺部をさらに薄くすることで高初速エリアが拡大し、ボール初速アップにつながりました。

今作ではフェースとボディに高強度のニッケル・クロムモリブデン鋼を採用

【ヨシダくん】
通常のクロモリよりもさらに硬い素材を使っているんですね。他に進化した部分はありますか?

【ミタさん】
「新L字フェース構造」を採用したことによって、フェースの下側で当たったときの飛距離ロスを最小限に抑えることができるようになりました。中空構造のヘッド内部に搭載されているタングステンウエートは、前作から2g増えて23gになり、さらに低重心設計になっています。

【シオさん】
3番アイアンを打つのは久しぶりなので、打てるか心配です…。

試打した印象は?

「新L字フェース構造」により、フェース下部がたわみやすくなった

【ヨシダくん】
これまでに打ったことのあるアイアン型ユーティリティは、どうしても中空構造の空洞を感じるような打感が多かったのですが、これはアイアンに似たやわらかい打感です。「ミズノプロ」シリーズアイアンの打感を継承している感じがします。

【ミタさん】
打感については、歴代のモデルもツアープロや競技ゴルファーから高く評価されています。

【ヨシダくん】
また、思っていたよりも高さを抑えた球で、ラインを出しやすい点も気に入りました。「FLI-HI」というネーミングからすごく高い弾道を想像していましたが、実際は中・高弾道くらい。言うなれば“FLI-MID”といった感じの球筋でした

ソール幅はロングアイアンよりも厚めで、高い飛距離性能と寛容性を兼ね備えている

【ミタさん】
ウッド型ユーティリティと比べて、どのような違いがありますか?

【ヨシダくん】
やはりダウンブローで打ち込めるのがうれしいです。ウッド型はダウンブローに打ち込むと吹け上がってしまいますが、今作は上から打ち込んでもバックスピンが入りすぎないところが良いですね。「241」や「243」を検討している人は、3番アイアンの代わりに「FLI-HI」を入れると違和感なく使えると思います。

前作(左)と新作(右)。ロフト角は同じだが、新作の方がトップブレードがスッキリしている印象

【シオさん】
構えてみると、「ミズノプロ」シリーズアイアンに似た形状です。前作ではトップラインがフェースと同じグレーでしたが、今作ではヘッドと同じブラックになっているので、よりシャープに見えます

【ミタさん】
実はフェースの溶接方法も変えています。前作はフェースの外側で溶接していたため、トップラインがどうしても厚くなっていました。しかし、今作では「新L字フェース構造」を採用したことでフェース内部での溶接が可能になり、トップラインがスッキリしています

シオさんとヨシダくんの「ミズノプロ FLI-HI アイアン」(3番、ロフト19度)試打データ

【シオさん】
ヨシダくんはすごく良い弾道が出ていましたが、私のヘッドスピードだと決してやさしいとは思えませんでした。たしかに弾き感があってボールスピードは出ていますが、低弾道で落下角が足りず、グリーンを狙うクラブとしてはちょっと不安です。パー3でティアップする場合なら、何とか使えそうな感じでした。

【ミタさん】
シオさんの場合はバックスピン量が少なかったので、高さが出ていなかったですね

【シオさん】
3番19度のロフト角でこのシャープな形状は、上級者向きのクラブなんだろうなと思います。ただ打感はすごく良いし、打ちこなせたらカッコイイですね

まとめ

構えやすく、打感が秀逸なアイアン型UT。ただし、使いこなすにはヘッドスピードと技量が必要

【ミタさん】
ヨシダくんとシオさんの評価が分かれた「ミズノプロ FLI-HI アイアン」は、上級者向けのアイアン型ユーティリティ。ドライバーのヘッドスピードが45m/s以上ある人でないと使いこなすのは難しいでしょう。ヘッドスピードが速い人にとっては、打球が上がりすぎずに適度なスピンも入ってくれるので、残り200~230ydからグリーンを狙うクラブとしてスコアメイクに貢献してくれると思います。

【ヨシダくん】
ウッド型ユーティリティほどのやさしさはありませんが、昔のロングアイアンに比べるとはるかにミスヒットに強く扱いやすかったです。

■ 試打したクラブのスペック

ミズノ ミズノプロ FLI-HI アイアン
●番手(ロフト角):3番(19度)●シャフト:OT iron 95 ●硬さ:S

ミズノ ミズノプロ FLI-HI アイアン

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ ヨシダくん プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

ミズノ
エリートゴルファーの要望に応えた究極のドライビングアイアン
発売日:2023/09/15 参考価格: 38,500円