新製品レポート

【最速試打】コブラ「DS アダプト X」 出たぞ!25年新ドライバー内の最速スピード 進化したカチャカチャにも驚いた

2025/01/17 10:00
3月に発売される「DS ADAPT」シリーズ。「X」は初速と寛容性を備えたバランスモデル

コブラの2025年モデルは「DS アダプト」。海外メーカーの中ではいち早くアメリカ国内で新製品を発表、すでに契約プロが試合で使用している。ドライバーは「DS アダプト X」「DS アダプト LS」「DS アダプト MAX-K」「DS アダプト MAX-D」の4機種がラインアップ。今回はその中のスタンダードモデル「DS アダプト X」を紹介する。ギア知識が豊富なミタさんが特徴を解説。飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打&分析した。

33種類の調整機能でアダプト!徹底追求された空力&フェース設計

ヘッド内部のソールイメージ。9度(写真左)と10.5度(写真右)とでウエート配置が異なる(緑色部分)

【ミタさん】
今回紹介するのはアスリートゴルファー待望のコブラ「DS アダプト」シリーズです。「DS アダプト X」は最もスタンダードなモデルです。

【シオさん】
リッキー・ファウラーが既に使っているモデルですね。

【コウタロウ】
近年のコブラのドライバーはワクワク感がありますよ。

【ミタさん】
今回、大きく変わった点としては2つあります。まず、「DS アダプト」シリーズは4機種ですが、「X」と「LS」モデルのみ9度と10.5度で重心の設計を変えています。9度は浅重心、10.5度は深重心になるようヘッド内部のウエート配置が異なります。

【コウタロウ】
モデル別なら当たり前ですけど、ロフト別で重心が異なるのは珍しいですね。

33通りの弾道調整が可能となった「FUTURE FIT 33(フューチャーフィット33)」

【ミタさん】
そして、もうひとつの変更点。この新しいスリーブ調整機能「フューチャーフィット33」を見てください。

【シオさん】
細かい数字がいろいろと入っていますね。老眼には厳しい(笑)

【コウタロウ】
どれだけ調整パターンあるんですか?

【ミタさん】
これまでの調整機能は、ロフト角とライ角の組み合わせがあらかじめ決められている8種類が一般的。でも今回のコブラは、ロフト角とライ角を独立して変更できる新スリーブを開発したことによって、33種類の組み合わせが可能になりました。

【シオさん】
だからADAPT(適応する)にしたんですね。

体積は460ccでマットブラックを基調とした落ち着いたカラーリング

【コウタロウ】
調整機能も楽しみですけど、コブラと言えば低スピンな飛びでしょ。

【ミタさん】
コブラのヘッドは空力性能を徹底的に追求しているのでヘッドスピードもボールスピードも最高レベル。それとフェースにはコブラ独自のH.O.T.フェースを採用していて、フェースを15分割設計したことにより、オフセンターヒットしたときのボールスピードを高めています。

【コウタロウ】
10.5度も打ちますが、個人的に9度がかなり楽しみです。

【ミタさん】
どのくらい違うのか、打って検証しましょう。

ボールスピードはテーラーメイド、キャロウェイ以上かも。だけど…。

「LS」モデルのような振りやすさと初速感が魅力です(コウタロウ)

【ミタさん】
気になるボールスピードはどうでしたか?

【コウタロウ】
まず、ロフト9度のモデル。これ、ヤバイですね。純正シャフトで73m/s…。テーラーやキャロウェイでもここまでのボールスピードは出なかったです。これ、スタンダードモデルですよね?「LS」を打っているような感覚

【ミタさん】
やっぱり難しい?

【コウタロウ】
スタンダードモデルとしてはハードな部類に入ると思います。ただ、ロフト9度だとバックスピンも2000回転前後で明らかな強弾道ですが、10.5度にするとバックスピンが3000回転近く入って、安定感が抜群に良くなりました。9度のヘッドは「攻」、10.5度のヘッドは「守」といった感じで、基本性能がぜんぜん違います。

平均ボールスピード58m/s以上は25年モデルのドライバー最速です(シオさん)

【ミタさん】
「フューチャーフィット33」はどうでしたか?

【コウタロウ】
色々なポジションで試しましたが、9度のスタンダードポジション“A1”が一番良かった。10.5度よりも浅重心ですが、ミスヒット時のブレも許容範囲だし、フィーリングがとても良かった。純正シャフトで平均キャリー290ヤードは超優秀です。

【ミタさん】
シオさんはどうでしたか?

【シオさん】
私も初速性能の高さに驚きました。平均で58m/s以上出ており、今のところ2025年のドライバーで最速です。ただ、やっぱりスピン量は少なく、10.5度でも私のヘッドスピード(40m/s)だと厳しい。「フューチャーフィット33」を駆使して最適ポジションを探してみます。

シオさんは「B7」ポジションにすることで理想的な数値に近づいた(ともにロフト10.5°)

【ミタさん】
スリーブ調整で弾道に変化が見られますね。

【シオさん】
はい、かなり変わりました。10.5度のヘッドで“B7”ポジション(ロフト角/+1.7度、ライ角/-0.7度)にしたら、つかまりを抑えつつ弾道が高くなったので、イメージに近い弾道になりました。ロフト角とライ角が広範囲で調整できるのはうれしいですね。

【ミタさん】
それでも、やっぱり難しいですか?

【シオさん】
ロフトを寝かせると、アドレスしたときにフェースがしっかり見えるようになるので、一気にハードさが消えました。10.5度のモデルは決してつかまらないヘッドではないので、打ちこなせる人は多いと思います。

コウタロウの平均データ。9°と10.5°でバックスピン量に約1000回転の差が出ていた

【ミタさん】
前作「ダークスピード」の流れを継承した「DS アダプト」は低スピン設計でボールスピードを追求したモデル。スタンダードタイプの「X」でも、スピン量は少なく、特に9度のモデルは他メーカーの「LS」に近いスピン量、重心設計になっています。ただし、調整機能が進化して33種類のバリエーションになったことで、今までコブラがハードだと思っていたゴルファーでも手に取りやすくなりますし、スキルが発展途上のゴルファーでも長く使えるドライバーだと思います。

【コウタロウ】
僕も完全にADAPTされちゃいました。

FUTURE FIT 33 ポジショニングマップ

コウタロウは9°で標準の“A1”、シオさんは10.5°でロフト+1.7°、ライ角-0.7°フラットの“B7”が最適となった

まとめ

両者とも高評価が並ぶ。コウタロウは9°のトガりっぷりにやさしさ星3つ

■ 試打したクラブのスペック

コブラ DS アダプト X
●ロフト角:9度、10.5度 ●シャフト: LIN-Q for Cobra(コウタロウ)、スピーダーNX for Cobra(シオさん) ●硬さ:共にS

■ マイクラブ情報

コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

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