今回のヤマハはいい! 打感がいいのに初速が出るぞ「RMX VD/R ドライバー」
ヤマハから「RMX VD」シリーズの最新モデルが発表された。ドライバーは「RMX VD/R」「RMX VD/M」「RMX VD/X」の3機種展開で、シリーズ名である「RMX」のアルファベット1文字がそれぞれのモデル名に採用されている。今回はアスリートモデルの「RMX VD/R ドライバー」の性能をギア知識が豊富なミタさんが解説。さらにパワーヒッターのヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)に試打してもらった。
クラブの特徴は?
【ミタさん】
今回紹介するのは、シリーズの中で最も上級者向けのツアーモデル「RMX VD/R ドライバー」です。
【シオさん】
同社と用具使用契約を結ぶ今平周吾が、長年愛用していた「RMX 116」からチェンジしたと聞いて、ずっと気になっていました。
【ミタさん】
2021年に登場した前作はヘッド体積が460ccの「RMX VD」と「RMX VD59」の2モデル展開でした。今作ではヘッド体積445ccのモデルが加わった3機種展開となり、よりアスリートを意識したラインアップとなっています。
【ヨシダくん】
これまでの「RMX」シリーズは2機種ずつ登場していたので、今回3モデルになったと聞いてちょっと驚きました。性能は前作からどのように変わっているのですか?
【ミタさん】
今作ではツアープロが求める飛距離性能を実現すべく、新たに開発されたブルズアイフェースを搭載しています。
【ヨシダくん】
なんだかダーツで聞き覚えのあるのネーミングのフェースですね。それは、どういう構造ですか?
【ミタさん】
飛距離は「飛びの三要素」と呼ばれるボール初速、打ち出し角、スピン量によって決まると言われています。一般的なドライバーはフェースセンターが最も反発性能が高く、ボール初速が速くなります。一方でスピン量と打ち出し角は、フェースセンターの少し上のエリアで最適な数値が出るため、三要素が最適化するポイントにズレが生じていました。
【シオさん】
昔からツアープロや競技に出る人たちは、「芯のちょい上がいちばん飛ぶ」と言っていましたよね。
【ミタさん】
その通りです。今作は最もボール初速が出るエリアがフェースの上目になるように設計されています。その結果、三要素が最適になる打点が誕生し、飛距離性能が向上したのです。
【ヨシダくん】
そうなると、このドライバーはフェースセンターではなく、少し上で打つように心がけた方がいいですか?
【ミタさん】
その心配は無用です。同社は独自に人間の感性を分析して、アドレスした時にフェースの少し上の部分をセンターだと認識できるようなヘッド設計を採用しています。そのため、今まで通り普通に打てば、飛びの三要素がそろった打点で打てるはずです。
【シオさん】
ではそのヤマハの狙いを、さっそく試打して検証しましょうか!
試打した印象は?
【ヨシダくん】
デザインがシンプルになって、すごくカッコよくなりましたね。ヘッド体積445ccの小ぶりなヘッドで雰囲気は完全にアスリートモデル。構えた瞬間にドロー、フェードと打ち分けるイメージがしやすいです。
【シオさん】
見た目のかっこよさだけでなく、スクエアに構えやすくて好印象です。
【ミタさん】
「RMX VD/R」はトウ側からヒール側へ縦方向に動くスライドウエートによって、ドローとフェードの球筋を調整することができます。今回はウエイト位置をセンターのままにして打ってもらいましたが、印象はどうですか?
【ヨシダくん】
打感がすごくイイ! 最近の「RMX」シリーズでは感じられていなかった、少し前のヤマハの打感です。僕はジュニアゴルファーだった頃にヤマハのドライバーを愛用していたので、とても懐かしく感じました。
【ミタさん】
打ってみて、ブルズアイフェースの効果は感じられましたか?
【ヨシダくん】
一番驚いたのは、打感がいいのに初速が出ることです。ドライバーは打感を優先すると、反発性能が犠牲になって初速が出にくくなると思っていましたが、このモデルはその2つを両立しています。純正シャフトでボールスピードが70m/s近く出るドライバーはなかなかないので、びっくりです。
【シオさん】
私も打感と飛距離に驚きました。ヘッドスピード40m/sでも230yd以上飛んでいました。
【ミタさん】
シオさんのデータを見るとボール初速が58m/s前後で打ち出し角が12~14度、スピン量が2000~2500回転くらいなので、「飛びの三要素」の理想値に近かったですね。
【シオさん】
先ほどのブルズアイフェースの話にあったフェースの見え方についてですが、アドレスしたときにヘッド後方部が少し下がっていて、フェース側が高くなっています。そのため、確かにフェースセンターよりも少し上側で打とうかなという感覚になりますね。
【ヨシダくん】
私は無意識に打っていましたが、センターの少し上に当たっていました。しかもフェースコントロールがしやすく、ドローとフェードを打ち分けることもできそうです。
【ミタさん】
前作より重心角を小さくして重心深度を浅めにしているので、操作性が格段に良くなっているはずです。
【シオさん】
ことしのヤマハは完成度高いですね!
まとめ
【ミタさん】
2人とも“かっこよさ”で満点をつけた「RMX VD/R ドライバー」。シリーズの中でも最も難しいとされるモデルですが、試打データを見てみるとHS50m/sのヨシダくんだけでなく、HS40m/sのシオさんも良い結果が出ていました。上級者はもちろん、平均スコア90前後の中級者でも十分に扱えるドライバーだと思います。ヤマハらしい打感の良さと飛距離性能を融合した新世代のアスリートモデルです。
【ヨシダくん】
ヘッドのポテンシャルがすごく高いので、契約プロはもちろん、契約フリーの選手で実戦投入するケースも多く出そうな気がします。僕もマイシャフトに差し替えてテストしてみたいです!
■ 試打したクラブのスペック
ヤマハ RMX VD/R ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:TENSEI PRO BLUE 1K 50 ●硬さ:S
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
ヨシダくん プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
- 中上級 応用ドロー フェード 距離感 マネジメント スピンコントロール
- ボディケアスキンケア ストレッチ 花粉症 筋トレ アレルギー
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