打倒ベンタスの本命かっ!フェードヒッターの芯食うシャフト USTマミヤ「LIN-Q WHITE EX」
USTマミヤの「LIN-Q EX」は、2019年から米国で発売された人気モデル「LIN-Q」を日本仕様にしたシリーズ。昨年の秋に第1弾として「LIN-Q BLUE EX」が登場し、今年11月に第2弾として「LIN-Q WHITE EX」が発売された。その特徴をギア知識が豊富なミタさんが解説。飛距離性能や弾道、振り感をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、検証した。
第3世代の炭素繊維を全長に使った元調子系
【ミタさん】
今回紹介するのはUSTマミヤの「LIN-Q WHITE EX」(リンクホワイトイーエックス)です。
【コウタロウ】
USTマミヤのシャフトはこの前も打ちましたよね?
【ミタさん】
11月にこの「LIN-Q WHITE」を発売し、12月に「アッタス RX サンライズ レッド」を発売しました。
【コウタロウ】
2ケ月連続!
【ミタさん】
ただし、「LIN-Q」と「アッタス RXシリーズ」は全く違うコンセプトです。簡単に説明すると「アッタス RX」はゴルファーに対してお助け要素があるシャフト。「LIN-Q」はアスリートゴルファーが戦うためのシャフトです。
【シオさん】
じゃ、けっこうハードなんですね。
【ミタさん】
やさしいシャフトではありません。
【シオさん】
性能的にはどういう特徴がありますか?
【ミタさん】
アスリート系のシャフトですが、方向性だけではなく飛距離性能も重視しています。第3世代と呼ばれる最新の炭素繊維で高強度・高弾性の「トレカRT1100G」を全長に使い、先端部分には「トレカRM40X」を使っています。
【コウタロウ】
しっかり感がありそうですね。昨年のブルーとの違いは?
【ミタさん】
「LIN-Q BLUE EX」は中元調子でしたが、「LIN-Q WHITE EX」は元調子。剛性分布を調べると手元部分は「LIN-Q WHITE EX」の方がしなりやすくなっていますが、中間から先端にかけては「LIN-Q BLUE EX」の方が動きます。
【コウタロウ】
なんとなくブルーが中元調子、ホワイトが元調子と言われるとディアマナの青マナ、白マナみたいな印象ですけど…。
【ミタさん】
シャフト業界で決まっているわけではありませんが、なんとなく赤は先調子系、青は中調子系、白は元調子系という感じはありますよね。そのように、一般ユーザーの認識が強まっているのをメーカー側も理解して合わせているんだと思います。
「5S」でもハード、「6S」になると棒。だけど飛ぶ!
【シオさん】
私は、普段使っているピンの「G430 SFT」というやさしいヘッドに「5S」をつけて打ちました。ハードなドライバーに豹変しますね。マイシャフトよりも、打ち出し角は3度ほど少なく、スピン量も約300回転減っています。でも、ボールスピードは速いです。
【ミタさん】
振り感はどうでしたか?
【シオさん】
歴代モデルで言えば「アッタス V2」を締めた感じ。元調子というよりは、中元調子くらいのしなり感でした。
【ミタさん】
「5X」はどうでしたか?
【シオさん】
不思議なんですけど、「5S」より少し柔らかい感じがして、「5X」の方が振りやすかった。ハーフウェイダウンのときに「5S」は全体的にパキッとしていましたが、「5X」は硬さの強弱が感じられます。弱い部分が少し緩んでくれるので、自分のタイミングで叩きにいけました。
【コウタロウ】
私は「6S」から打ちましたが、「6S」なのにこんなに硬いの?と思いました。“棒”に近い感覚です。絶対に左に行かなそうなので、ヒッカケ・チーピンキラー系シャフトですね。「6SX」も同じようなフィーリングで曲がり幅が少なくて、直進性はとても高かったです。
【ミタさん】
「6X」はどうでしたか?
【コウタロウ】
シオさんも同じようなことを言っていましたが、「6X」の方が「6S」よりも打ちやすい。「6X」はスイング中のしなり感が一定しているのでタイミングを合わせやすい。特に私のようなフェードヒッターは思い切って振れると思います。
【ミタさん】
打球は安定していましたね。
【コウタロウ】
球筋が揃ってくれるし、打球が強くて飛ぶ。安定したキャリーで280ヤードくらい飛んでくれるのは、かなり好印象です。
【ミタさん】
人気の「ベンタスシリーズ」と比べて、どうでしたか?
【コウタロウ】
ひと言で言えば「曲がらないベンタス、飛ばせるLIN-Q」という感じです。
【シオさん】
硬さやしなり感は「ベンタス ブルー」と「ベンタス ブラック」の間にある印象でした。
コウタロウ試打データ/G430 LST(9.0度)
シオさん試打データ/G430 SFT(10.5度)
【ミタさん】
高強度素材を使った「LIN-Q WHITE EX」は飛距離性能が高いアスリート系シャフトです。中間から先端部が硬く、コントロール性がありながら、低スピンで強い弾道が打ちやすいシャフト。左のミスに悩んでいるパワーヒッターにオススメです。どちらかと言えばドローヒッターよりはスピン量を抑えたいフェードヒッターと相性が良さそうなシャフトです。
【コウタロウ】
先端は硬いけど、インパクトで押し込む感じがあるのでフェードで飛ばせます。
■ 試打したシャフトのスペック
USTマミヤ LIN-Q WHITE EX
●モデル/フレックス/重量/トルク
5S/58g/3.4、5X/61g/3.4
6S/68g/3.1、6SX/69g/3.1、6X/70g/3.6
●調子:元
■ マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S
コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。
レッスンカテゴリー
- 基本動作アドレス グリップ スイング ドライバー バンカー 練習ドリル
- 弾道別スライス フック トップ ダフリ 高い 低い テンプラ
- スイング改善アドレス グリップ 振り遅れ インパクト フォロー
- 状況 クラブ別ドライバー アプローチ バンカー ラフ 傾斜 アイアン
- 中上級 応用ドロー フェード 距離感 マネジメント スピンコントロール
- ボディケアスキンケア ストレッチ 花粉症 筋トレ アレルギー
- ルール マナーゴルフ規則 マナー