【最速試打】「MAXなのに高初速」のナゼ?その答えは極薄3層コンポジットフェース キャロウェイ「クアンタム MAX」ドライバー
キャロウェイから新ドライバー「QUANTUM(クアンタム)」シリーズがリリースされた(2月6日発売)。ラインアップは「QUANTUM MAX」、「QUANTUM MAX D」、「QUANTUM ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」、「QUANTUM ◆◆◆MAX」と、軽量モデル「QUANTUM MAX FAST」の5機種。今作はチタン、ポリメッシュ、カーボンという異素材を組み合わせた3層構造のフェースを採用。圧倒的なボールスピードを実現させたという。このヘッドを、ギア知識が豊富なミタさんが解説。飛距離性能、打感、構えやすさを、アスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
チタンフェースを約14%薄くしても、3層構造によって耐久性の問題クリア
【ミタさん】
今回紹介するのはキャロウェイの「クアンタム MAX」。いちばんの特徴はフェースがチタン、ポリメッシュ、カーボンという世界初の3層構造になっていることです。
【シオさん】
すごいテクノロジーに聞こえますね。チタンだけでもカーボンだけでもなく、3層構造ですか!
【ミタさん】
完成させるまでに、5万9000のプロトタイプヘッドと227万回のインパクトシミュレーションをデジタル上で繰り返したそうです。
【コウタロウ】
3層構造のアイデアもAIから生まれたものですか?
【ミタさん】
いえ、このコンポジットフェースはキャロウェイ本社の開発チームが10年以上前から模索していたそうですよ。
【コウタロウ】
3層にしたことによってどういうメリットがあるんですか?
【ミタさん】
最大のメリットはチタン部を薄くできることです。薄くすれば、当然初速は上がります。ただ、耐久性が低下し割れやすくなってしまう。そこで、従来以上の初速性能を確保した上で、耐久性の問題を解消・コントロールするためにポリメッシュとカーボンをフェース裏側に圧着させています。もちろんドライバーには反発係数のルールがあるので、ルールギリギリまで初速アップを狙える、また、フェースの広範囲で高初速化が可能になる、と言ったところでしょうか。
【シオさん】
チタンフェースはどのくらい薄くなったのですか?
【ミタさん】
約14%薄くなっています。
【コウタロウ】
AI設計フェースはどうなったんですか?
【ミタさん】
もちろん継承しています。耐久性を他素材で補えたことで、フェースの設計自由度は上がりました。近年のキャロウェイドライバーは、コントロールポイントというフェースにある弾道補正ポイントの数を増やしてきましたが、「クアンタム」では一つひとつのポイント効果をさらに向上できたそうです。
「MAX」とは思えない初速。「トリプルダイヤモンド」はどうなる!?
【シオさん】
「エリート」と比較すると形状が変わりましたね。オーソドックスな丸型になって構えやすい。私は最近のキャロウェイのドライバーがボッテリした顔をしていて苦手でしたが、「クアンタム」にはそれがありません。
【コウタロウ】
アスリートゴルファーでも使いたくなる形状ですね。クラウン部分のカラーリングやデザインがシンプルになって構えやすくなりました。
【ミタさん】
打った印象はどうでしたか?
【コウタロウ】
1球目からいい意味でヤバイと思いました。インパクトの手応えが、飛ぶドライバーのフィーリングそのもの。ちょっと荒々しい感じはするけど、間違いなく飛びます。
【ミタさん】
計測データもいいですね。ボールスピードが平均値で73m/s、トータル飛距離が317ヤードでした。
【コウタロウ】
3層構造の影響なのかどうかわかりませんが、ちょっと不思議な打感。フェースに乗って食いつく感じもあるし、しっかり弾いてくれるフィーリングもあります。独特の打感です。「MAX」でこれだけのスピードが出てしまうと、「トリプルダイヤモンド」への期待が自然と高まってしまいます。
【ミタさん】
10.5度と9度の違いはどうでしたか?
【コウタロウ】
直進性は共に高いですが、10.5度の方がスピン量が400回転ほど増え、より安定した弾道になります。スコアを出すなら10.5度ですね。飛び優先なら9度です。
【ミタさん】
シオさんはどうでしたか?
【シオさん】
私は10.5度を打ちましたが、自分だとスピン量が少なかったです。打ち出し角は15度出ましたが、ドロップするボールもありました。「MAX」の名がつく割には強弾道系の鋭さがあって、スピン量はしっかりチェックしたほうが良いと思います。
【ミタさん】
落下地点は安定してましたね。
【シオさん】
芯から外れたときでも曲がり幅が少なかったです。すごく振りやすくて、高慣性モーメント系とはまた違ったやさしさを感じました。
【ミタさん】
どういうタイプのゴルファーに合っていますか?
【シオさん】
つかまりすぎない感じがしたので、私のようなローボール系のドローヒッターが安定したショットを打てるドライバーです。
【コウタロウ】
とにかくドライバーで飛ばしたい人!対象ヘッドスピードはかなり幅広い。シャフト次第で40から45m/sくらいまで十分にカバーできると思います。
【ミタさん】
世界初の3層フェースによって、キャロウェイはドライバーの飛距離性能をまた次のレベルに引き上げました。特にヘッドスピードの速いゴルファーにとって、その効果は大きいと思います。打感・打球音は少し大人しい感じがするのにボールスピードが速い。打感が硬すぎないところも日本人ゴルファー好みです。今回、5つのモデルが同時に発売されますが、まずはコアモデルとなる「MAX」から試されることをオススメいたします。
【コウタロウ】
キャロウェイのスピード感をしっかり感じられました。これも人気が出そうですね。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
キャロウェイクアンタム MAX ドライバー
●ロフト角:9度、10.5度(コウタロウ)、10.5度(シオさん) ●シャフト:ベンタス TR RED(コウタロウ)、ATHLEMAX 50(シオさん) ●硬さ:X(コウタロウ)、S(シオさん)
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。