すべてのヘッドがルール上限ギリギリの反発力を持つという「M5 ドライバー」

【ミヤG】
テーラーメイドから新シリーズとして「M5」と「M6」が発売されます。フェース面に赤い固定ネジが2つあって、それが印象的ですよね。「スピード インジェクション」という新テクノロジーらしいのですが、一体どういう効果があるでしょう？

2カ所の注入口（赤いネジの部分）からレジンを注入し、反発力をチューニングする

【ツルさん】
製造工程では、まずルール上限を越えた高反発フェースのヘッドを作っておいて、ヘッド個別のフェース反発係数を計測。そこからルール制限内ギリギリの反発に抑えるために、ヘッド個体に合った分量だけフェースのネジ部分からレジンを注入します。それによって、全ての市販品がツアー支給品と同レベルのルールぎりぎりのフェース反発を備えているそうです。簡単に言うと、フェース反発の製品精度を高めたモデル、と言っていいでしょうね。

【ミヤG】
なるほど～。打ってみると、上級者が好みそうな引き締まった打感。もっと高反発っぽい金属系の打音がするのかと思いきや、意外ですね。それに、めちゃ飛んでる！！

【ツルさん】
スピン量が少ないですよね。ミヤGの当たりはフェース上目だったので、そのぶん余計に打ち出しが高くて低スピン弾道になっています。昔、テーラーメイドが提唱していた理論的にもっとも飛ばせる数値「打ち出し角17度、スピン量1700回転」に近いですもん。ドライバーの進化を感じますね～。

【ミヤG】
過去の自分の試打データを振り返ってみても、僕がこれまで試打したなかでこの「M5 ドライバー」がいちばん飛んでいます！！ツルさんが打っても、やはりスピン量は少ないですよね。

【ツルさん】
低スピンの高弾道を打ちやすいドライバーです。前作の「M3 ドライバー」は、少しスピン量が多いという意見もゴルファーから出ていたんですが、今回の「M5 ドライバー」ではそういったコメントは出てこないと思いますよ。それに、オフセンターでヒットしたときの曲がり幅が小さい。ヘッドの慣性モーメントのおかげなのか、ツイストフェースの影響なのかは分かりませんが、意外なぐらいミスに寛容です。

フェースはややオープンだが、前作M3よりもトウ側の丸みが抑えられている

【ミヤG】
構えたときにオープンフェースに見えて、僕には少し構えづらいドライバーですが、この飛びは魅力的ですねぇ。

【ツルさん】
僕には、このヘッドが構えやすく感じるんですよね。「M3 ドライバー」のときは、ツイストフェースがアピールされているようなフェースのトウ側の丸みが気になりましたが、「M5 ドライバー」ではデザインが変わったこともあって、ヘッドをスクエアにセットしやすい。個人的には、とても構えやすくなったと思うし、打感も気に入りました。好印象です！

【ミヤG】
肝心のフェース反発性能って、どうなんでしょうね？ 僕は自分のドライバーと打ち比べて、ボール初速があまり変わらなかったんですが……。

【ツルさん】
僕が打っても、従来のドライバーとの差は感じなかったです。けれど、「スピード インジェクション」によって製品精度が高められているのなら、個体差によるヘッドの当たり外れがないということなんで、消費者にとってはありがたい話ですよ。それを抜きに考えても、ヘッドの基本性能が高いドライバーだと思いますね。

高弾道＆低スピンで飛距離性能は高い。構えやすさはミヤGとツルさんで意見が分かれる結果に

■ 試打したクラブのスペック

テーラーメイド M5 ドライバー
●ロフト角：10.5度 ●シャフト：KUROKAGE TM5 2019 ●フレックス：S

■ マイクラブ情報

ミヤG：ピン i25 ドライバー
●ロフト角：9.5度 ●シャフト：PING PWR 65 ●フレックス：TOUR S

ツルさん：テーラーメイド M2 ドライバー（2017）
●ロフト角：10.5度 ●シャフト：コンポジットテクノ ファイアーエクスプレス TP-V NX 55 ●フレックス：SX