流行よりも本質を 干場義雅がこだわるグレーのスーツとメイド・イン・ジャパン
ゴルフウェアもシンプルに
そんな干場がゴルフを始めたのは5年ほど前。当初は出版社から頼まれた雑誌の連載企画のためだったが、徐々にその面白さに目覚めていった。「コロナ禍で海外出張もなくなり、時間ができたのでここ1~2年はラウンドする機会が増えました。密にならず、友人たちとゆっくり時間を過ごせますからね」。最近は社会が回り始め、仕事も順調に増えている反面、ゴルフをする時間をなかなか取れなくなったことが悩みの種になっている。
ゴルフウェアも色は使わず、白と黒のコーディネート。「色を入れるのが悪いわけではなく、個人的にシンプルなウェアが好きなんです。本当は自分が上手になってから言いたいんですけど、ウェアよりプレーがかっこいい方がいいですよね。ゴルフがうまければ、裸でもかっこいい(笑)。そのうえでウェアには動きやすい生地やファンクションが求められるのかなと思います」。機能性素材を使ったウェアは、自身がファッションディレクターとして携わる「K-3B」(ケースリービー)という国産ブランドのものだ。
メイド・イン・ジャパンへのこだわり
『メイド・イン・ジャパン』にも強いこだわりを持っている。「守秘義務があって皆さんに言えないのですが、実は日本で作られている世界のトップブランドのニットやTシャツがたくさんあります。岡山のデニムも海外のブランドが採用しています。日本には素晴らしいものがたくさんあるんです」。干場は、明治神宮の参道のひとつである表参道に海外の高級ブランドが軒を連ねる光景を「黒船来航」に例える。これに対抗する意味を込め、自身がプロデュースする日本発のバッグブランド「PELLE MORBIDA」(ペッレ モルビダ)のロゴには白い船を採用した。
ゴルフ用品の世界でも“白船”となる仲間を求めている。「例えば、日本シャフトは国産にこだわっているということで、すごく興味を持っています。機会があれば、コラボレーションしてみたいですね。もし自由にカーボンシャフトを作れるとしたら、最高の素材を使って、長く使いたいので丈夫なもの。デザインはシンプルに真っ黒でボクのサインだけが入っている…いや、サインもない方がいいかな」。ゴルフ業界とファッションの世界、それぞれのメイド・イン・ジャパンへのこだわりが交わる日がいつか訪れるかもしれない。