ヤマハ インプレスX 4.6V(2008年モデル)
打ってみると?
試打クラブは4.6Dが9度のSシャフト、4.6Vも9度のSシャフトだが、こちらにはランバックスの最新モデル「6Y08」が標準装着。長さはどちらも実測44.75インチ(メーカー値45インチ)。硬さの目安となる振動数は、4.6DのSが248pmで、4.6VのSが256cpm。対象ユーザーが異なるからだろう。同じSでも前者の方が軟らかめの仕上り。総重量も結構異なり、4.6DのSは298.5gでバランスD1。4.6VのSの方は315.8gでバランスD2だ(いずれも実測)
まずはアベレージ向け4.6Dから打ってみると・・・。まず感じるのがフェースの弾き感。カキーンという金属音と共にボールが勢い良く飛び出す。ルール適合モデルの中ではボール初速の出方が秀逸。スピン量は多過ぎず少な過ぎず低スピン弾道でランで距離を稼ぐというよりは、ボール初速を稼いでキャリーで飛距離を稼げるタイプ。フェースセンターやや上で捕らえると、打出し角が14度前後で、スピン量は2600~2800回転。そして、前作に比べると、上下方向のスイートエリアが広がっているのがハッキリと感じられ、わざと上下に打点を外しても飛距離の落ち込みが少なめだ。
続いて4.6V。シャフトに合わせてしっかり振ると(ヘッドスピード46m/s)、インパクトでしっかりボールがつぶれる。球離れは早くないのだが、こちらもボール初速が出やすく、叩けば叩くほどボールが力強く飛び出す。こちらも重心が低くないので、フェース中央だとスピンはやや多め。ただし、厚めに(フェース上部)当てると、低スピンの飛ぶ弾道で距離を稼げた。
そして、どちらも印象に残ったのがシャフト。4.6Dはシャフト(DX-408D TypeII ダブルスピードシャフト)の挙動がシャープ。ゆったり振っても、ダウンからインパクトにかけて素早くしなり戻り、クラブがヘッドスピードを上げてくれる。そして、ヘッドがターンしやすいようにシャフトがしなり戻る。他方、4.6Vのシャフト(ランバックス 6Y08)に関しては、切り返しでシャフトのしなりが大きく、ノーコック気味のトップでも、シャフトで大きなタメが作れる。そして、ダウンからインパクトにかけては、シャープにしなり戻る。ヘッドだけでなく、シャフト挙動でもボール初速が上がる印象を強く受けた。ただし、4.6Dに比べると、クラブ全体の挙動はシャープ。ダウンの軌道でちゃんとしていれば問題ないが、インからあおって打ったりすると、クラブの挙動が不安定になりやすい。ミスを防ぐというよりは、スイングがしっかりしている人が飛距離を出しやすい仕上りだ。