マーク金井の試打インプレッション

ブリヂストン ツアーステージ X-DRIVE 703

2010/01/19 10:15

打ってみると?

試打クラブは9.5度。シャフトは純正の「B10-01w(S)」と、グラファイトデザインの「DI-6(S)」。アスリート向けだけあってリアルロフトは少なめで、純正シャフト装着は10.5度で、「DI-6(S)」装着は9.5度。一方、フェースアングルはプロモデルらしくない。純正シャフト装着は0.5度フックで、「DI-6(S)」装着モデルは±0度。どちらもアドレスすると、ほんの少しフェースが左を向いた感じである。ライ角度がアップライトなことも相まって、プロモデルの中では「捕まり」を意識した仕上がりだ。

硬さの目安となる振動数は純正が263cpm、「DI-6(S)」が266cpm。純正はトルクが少ないこともあって、ワッグルしてもシャフトのしなりは控えめだ。対して「DI-6(S)」は振動数の割にはしなりを感じやすい。振動数はほとんど同じだが、体感的には純正「B10-01w(S)」の方が半フレックスほど硬く感じる。クラブ重量は純正モデルが311.2gでバランスはD2。「DI-6(S)」装着モデルが310.8gでバランスD。長さはどちらも実測で45インチ。

アイアンでウォームアップ後、まずは純正仕様「B10-01w(S)」で打ってみた。ヘッドスピード45m/sぐらいでスイングしてみると・・・「ゴツッ」という鈍い音とともにボールがゆっくり飛び出す。体感的には初速が出ていない感じだが、実際はボールの弾きがすこぶるいい。そして、低スピン弾道がオートマチックに打てるので、落ち際まで球の勢いが衰えない。ハイバック形状だが、低重心設計なんだろう。フェース中央付近で捕らえても、スピンが2200~2600回転。ハードヒッターが叩いても吹き上がりづらい。加えて、叩けば叩くほど打感が良くなってくる。

リアルロフトが少なめなので、高弾道でキャリーを稼ぐタイプではなく、中弾道でキャリーとランで距離を稼げる。そして、試打して印象に残ったのが捕まり。見た目どおり捕まりが非常にいい。ダウンからインパクトにかけてヘッドが返りやすく、ストレートボールを打つつもりで軽いドロー弾道。また、インサイドから煽り気味に打つとかなり強いフックが出た。チーピンに悩む人には「捕まり過ぎる」怖さがある反面、捕まりを求める人には、スッポ抜ける怖さがないドライバーだ。

純正の「B10-01w(S)」は、予想通りハードな仕上がり。切り返しでシャフトのしなり量は少ない。中間部分が少ししなるタイプなので、ゆったり振るよりも、インパクトでしっかり叩きたい人に扱いやすく仕上がっている。

対して、「DI-6(S)」は切り返しでシャフトの手元から中間部分が大きめにしなり、ヘッドの重さを感じやすい。こちらはインパクトで叩く人よりも、スインガータイプの方がタイミングを取りやすいし、扱いやすいだろう。ゆっくり振るよりも叩いた方が打感が良いこと、中弾道で低スピン弾道を打ちやすいことを考えると、「703」は見た目通りハードヒッターとすこぶる相性がいいドライバーだ。

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