ナイキ ヴィクトリー レッド ストレートフィット ツアー ドライバー
打ってみると?
試打クラブは9.5度。シャフトは純正のツアーAD「VR510D」。スペックを計測すると、リアルロフトが10度でフェースアングルは-0.75度。アスリート向けだけあってプロ、上級者が好む設定だ。長さは45.75インチ表示だが、ヒールエンド法計測だと45.25インチ。クラブ重量は312gでバランスはD2。硬さの目安となる振動数は247cpm。予想通りシャフトはアスリート向けドライバーにしては軟らかい設定。ワッグルすると手元から中間部分がグイッと大きめにしなり、先端側が少し硬く感じる。
シャフトに合せて軽めにスイング。芯を喰っても喰わなくても・・・インパクト音は控えめ。派手な金属音ではないが、それでいてフェースの弾きっぷりがいい。弾道計測器でチェックしてみると、いい感じで捉えるとスピン量は2000~2400回転。低スピン弾道がオートマチックに打て、中弾道でキャリーとランで飛距離を稼げる。
そして何と言ってもこのドライバーの特徴はシャフトを脱着、再び装着する時にフェースアングル、リアルロフトを大幅に(32通り)変えられること。一番捕まりが良い方向にシャフトを装着すれば、フェースアングルは+1.5度、リアルロフトは11.5度。一番捕まらない方向にシャフトを装着すると、フェースアングルは-3度。調整幅はこれまでのモデルよりも細かく0.25°刻みで調整可能だ。最大に調整すると弾道が明らかに変わる。捕まる方向にすればインパクトでフェースが被りやすく、捕まらない方向に調整すればインパクトでフェースが開きやすくなった。ちなみに、ヘッドの基本性能はマニュアル系。自分の意志が伝わりやすいヘッドなので、ノーマルポジションでも球筋を打ち分けやすくなっている。
ちなみにヘッドの操作性がいいからだろう。インからあおると、フェースが急激に被ってチーピンになりやすい。逆にテークバックでフェースを開き、アウトサイド・イン軌道でカット打ちした時にはフェースが開く度合いが少なめ。スライスの度合いも弱めだ。シャフトは切り返しで手元から中間部分が大きめにしなり、ゆっくりしなり戻るタイプ。ヘッドスピードに関係なく、切り返しがゆっくりしている人や、ダウンでタメをほどけやすい人と相性が良い感じがした。ヘッドはことさら低重心ではないが、低スピンで飛ぶ弾道を打ちやすい。シャフトはソフトだが、使いこなすにはある程度のパワーが要求されるドライバーだ。吹き上がって飛距離をロスする人や、アゲインスト風で飛距離を伸ばしたい人にとって、飛距離をアップを確実に狙えるドライバーだ。