ヤマハ インプレスX RMX ドライバー
打ってみると?
試打クラブはロフト9度。シャフトは標準装着のR(MX-513D)10度表示でリアルロフトは10.5度。フェースアングルは+0.5度。ややフックフェースだが構えるとフェースはスクエア感が強い。シャフトは軽くて軟らかい。ワッグルするとシャフト全体がグニャリと大きくしなる。硬さの目安となる振動数は227cpm。クラブ重量は294.5gでバランスはD0.5。長さはメーカー値、実測値とも45.5インチ(※ヒールエンド法計測)。
まずはシャフトに合わせて軽めにスイングしてみると‥‥弾き感があるインパクト音とともにボールは低い弾道で「前に前に」飛んでいく。見た目通り重心が浅くて低い。スピンがかかってフワッと上がる弾道ではなく、明らかに低スピン弾道。ラフからフライヤーを打ったかのような放物線で飛んでいく。インパクトゾーンでヘッドがアッパーに動く度合いが少ない。リアルロフトが少ないことも相まって、打ち出し角度が低くなるようだ。非力な人にはボールが上がりづらい怖さもあるが、パワーヒッターが使えば、キャリーとランでも飛距離を稼げる。
ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げても吹き上がる気配なし。フェース中央よりもほんの少し上で捕らえると打出し角が11~12度で、スピン量は2300~2600回転。インからあおって打つとドロップする怖さがあるが、プレーンに沿ってクラブが下りてくると、風に強くて飛ぶ弾道がオートマチックに打てる。
印象に残ったのが重心距離の調整機能。ネジを取り替えるとガラッとヘッドの挙動が変わった。標準だとヘッドの挙動はニュートラル。ストレートに打てばストレート弾道。捕まるようにネジを装着すると(ヒール側に22g、トウ側4g)、重心距離が短くなった分だけ捕まりが一気に良くなる。逆もしかり、捕まらないようにネジを装着すると(トウ側に22g、ヒール側に4g)、重心距離が長くなった分だけ捕まりを抑えることができた。重心距離を変えられるドライバーはいくつもあるが、調整幅の大きさはかなりのものだ。ヘッドに比べるとシャフトはかなりアンダースペック。純正Rはとにかく軟らかく、しなりを感じやすく仕上がっている。ヘッドがハードな分だけ、シャフトでやさしさを演出しようとする意図が強く窺える。
見た目通り、ヘッドは明らかにアスリートライク。重心が浅い分だけ、スピンが減って飛距離を稼げるドライバーだ。個体差はあると思うが、2013インプレスXRMXはアベレージゴルファーよりもアスリートゴルファーの方が相性が良さそうだ。