ナイキ VR_Sコバート ドライバー
打ってみると?
コバートはロフト調整付きなのでヘッドは一種類のみ。シャフトは純正にラインアップされている三菱レイヨンのバラサF53のSR。リアルロフトは10.5度のポジションで12度。フェースの向きは-2度。ヘッドの座りの影響もあるが、リアルロフトが多めでオープンフェースの度合いが強い。フェースの厚みは約57ミリ。フェース形状は丸型に近く、ややディープフェースだ。
シャフトはワッグルすると中間部分がしなる。振動数は235cpm。市販のSRとしては平均的な硬さだろう。長さはヒールエンド計測で45.25インチ(メーカー公称値は45.75インチ)。クラブ重量は297.6グラムでバランスはD0となっている。
シャフトに合せてややヘッドスピードを落として打ってみた。スパンとやや控えめな金属音とともにボールは高めの弾道。重心が高めなんだろう。フェース中央で捕えるとスピンがやや多めだ。低スピンで飛ばすことよりも、スピンをかけて高弾道キャリーボールが打ちやすいタイプである。
球筋は真っ直ぐ打てばストレート弾道。460CCのわりには重心距離の長さを感じず、ヘッドを返しやすい。球筋も打ち分けやすい。見た目通り重心が少し浅めで操作性が良く、インからあおって打てばフック、アウトサイド・インの軌道を意識するとスライスがイメージ通りに打てる。
弾道計測すると、フェース中央付記打ち出し角は12~14度。スピン量は2800~3200回転。フェースの上側で捕えるとスピン量は2200~2600回転に減り、飛ぶ弾道になった。コバートで飛距離を効率良く稼ぐには、フェースの上側でヒットする技術が求められる。
純正シャフトの「バサラF53」は切り返しでシャフトの中間部分がグイッと大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけてゆっくりしなり戻る。典型的な中調子の粘り系。スイングに中にしなりを感じ取りやすく、タイミングが取りやすい。
新機能満載なコバートだが、ニュートラルポジションでの特性は重心が高めでスピンがかかりやすく、高弾道キャリーボールが打ちやすい。ヘッドの挙動は癖がないのでフェースアングルを調整すれば、捕まり具合を自分の好みにアレンジできる。ノーマルポジションでオープンフェースの度合いが強いのがやや気になるが、フッカーだけでなくスライサーにも相性が良いドライバーである。